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エピソード7 『ドヴォルザークの再来』

エピソード7

…なんだか、

やたらと、奉仕的なヒトのようなカンジするよね?

「そんなに突っ張っちゃって、大丈夫!?」

なんて、心配しちゃうヒトも、いるかもしれないねぇ。


けれど、

冒頭のハナシ、覚えてる??


ナカジマさん自身は、

いつも朗らかで、ストレスなんてサッパリ感じていない顔して、

生徒たちとジャレ合ってるんだよ♪



彼は、

確かに、「奉仕的なヒト」ではあるけれど、

「ムリして奉仕に徹する」ような、破滅的なヒトでは、ナイのさ。


…なんていうか、

奉仕が、日常生活の中に、染み込んでいるんだよ。

奉仕は、特別なモノじゃなくて、アタリマエなモノになっているんだ。



それに、

ナカジマさんは、「自分を尊重する」ってコトも、上手いんだ!!


僕らが3年生になるチョっと前、

彼は、思いがけないコトを、部員たちに打ち明けた!

「実は、私ねぇ、

 来年度から、大学に行こうと思ってるんだよぉ。

 と言っても、夜間の学校だよ?

 だから、教師生活をしながら、生徒になっちゃうんだ。ハッハッハ!


 でね、

 チョっと困ったことに、

 大学に通うためには、4時半には、

 この学校を出発しなければならないんだよぉ。


 すると、

 指揮棒を振ってられるのは、せいぜい4時15分までだなぁ…

 みんなの貴重な合奏時間が減ってしまうんだが…

 許して貰えるかなぁ!?」


みんな、驚いた!!

「ヒゲが、大学生!?」

でも、


誰一人、彼を批判するような部員は、居なかったよ♪

…まぁ、

みんなの胸のうちは、解りっこナイんだけど、

少なくとも、声を荒げて、批判や反対をするヒトは、居なかったさ。


そもそも、

部活の顧問っていうのは、

ほとんど、ボランティアみたいなモンだからねぇ!



そうしてナカジマさんは、

みんなに献身することと、

自分の人生を尊重することを、

とても上手いバランスで、やりくりしていったよ。


どうしても、合奏の時間が足りないときには、

OBの、プロの音楽家の(僕らから見て)先輩に、

自腹でお金を払って、合奏を見に来て貰ったりも、してた。


つまり、

アタマが柔らかくて、臨機応変なんだね♪


『ドヴォルザークの再来』

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