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エピソード158『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年5月2日
  • 読了時間: 7分

更新日:2024年5月8日

エピソード158


ドラゴンの姿のキキは世界樹の残骸の上にふわりと降り立った。

3人と馬をそっと地面に降ろす。

そしてすぐに10歳の少女の姿に戻った。

キ「ふぅ!みんなお疲れさん♪」


な「キキちゃぁーーーん!怖かったよぉぉ!!」

ななはキキに飛びついた。

キ「よしよし。よくやったねぇ」キキはななを優しく抱きしめ労った。

ゆ「キキちゃん強すぎ!」ゆなもキキを抱きしめる。

キ「へっへーん♪

 だから言ったでしょ?上位魔法が使えなくたって魔王くらい倒せるって♪

 私、強いのよ♡

 あなたたちは戦いに興味がなかった。打ち負かすことにも殴ることにも興味がなかった。だからチカラを貸したのよ♪」

ア「達観しすぎてないか・・・?」

キ「え?

 こういうのを『ヘンな人』っていうのよ♡

 あぁ、ねぇ?

 明日からは、大道芸人として世界を旅しない?」

ア「勇者に間違われちまうぜぇ!」

キ「それは困るわぁ(汗)」

きゃははははははは!!



おしまい♪



執筆ウラ話(≧∇≦)


さすらいのお話を書きたかった!

以前ラノベを書くと決めたとき、本心としては、あまりバトルのないさすらい要素の強いRPGモノを書きたいと感じていました。私は痛々しいバトルシーンが好きではないですし、それを執拗に読者に見せることが良いこととは思えないのです。

しかし、RPGモノのラノベの読者は、白熱バトルの要素が強くないと見向きしないだろうなと、思いました。1作目、2作目はそのように書きました。

この3作目を書き始める頃は、世の中は『葬送のフリーレン』というRPGモノが流行っていました。『フリーレン』はあまりバトル要素が濃くないのですよね(少なくとも20話程度までは)。そんな『フリーレン』がこれだけ大ヒットするなら、バトル要素の薄い冒険ラノベを書くのもアリなのでは!?と思えたのです^^

そうして、RPGモノとバックパッカー紀行を足して2で割ったような物語が出来上がりました♪

ただし序盤は敢えて、普通の女の子たちが野犬やモンスターと工夫して戦う姿を、リアルに描いています。


また今作は、1、2作目よりもかなり長い尺にすることを意識しています。『僧侶だけで』『ローレシアのメイドさん』は10万文字程度でまとめましたが、今作『世界樹』は23万文字くらいです。さらに、バトルシーンにあまり文字数を割いていませんから、物語の規模感としては前作より2倍よりもさらにボリューミーに感じられると思います^^

この物語は、「早く結末が知りたい!」と気を焦って読むのではなく、「いつまでもこの世界観に浸っていたい♪」というのんびりした気持ちで読み進めていただきたいなと思っています(*'▽')

実際の旅って、「いつまでもさすらい続けるカンジ」が楽しくて幸せなんですよね♪


1作目、2作目、3作目と、筆者としては微妙にテイストを変えています。どれが好き、どれが好きでない、というのは読者さんによって個人差があるのだろうなと思います。



キキが世界樹を崩落させたのはわざと。

物語の最後で、キキは派手に世界樹を崩落させてしまいます。これまで大きな破壊を描かなかったのに何で?といぶかしげるかもしれませんが、キキは「敢えて」世界樹を崩落させる戦い方をしました。

この世界にとってもう、「世界樹の大木は無いほうがいい」とキキは考えたのです。ビジネスに濫用されたり、癒しや神秘に依存するのはよくない、と考えたのです。

シルヴァヌスは優秀な民なので、大きなお家を失ってもちゃんと生きていけます。



装備や魔法が弱いままなのは、ペース配分ミスではないです。

この作品では、ラスボス戦でも《バギマ》や《バトルアックス》を使っています(笑) ドラクエのセオリーとしては考えられないですよね。

これは、物語のペース配分ミスではありません。メインキャラがななとゆななので、「人間が魔法を使えるようにもなったけど少しだけ」という体で仕上げたかったのです。ななやゆなが《バギクロス》だの《メラゾーマ》だの操ってしまうと、感情移入しにくいと思うのです。「私も旅に出られるかも!」と読者さんに感じてもらいにくくなってしまうと思ったのです。

そしてそのコンセプトに合わせて、「キキも中級魔法程度までで戦う」という設定にしました。

強い魔法や強い武器で叩きのめすのではなく、知恵や協力によって戦うお話にしたかったのです。「工夫をすれば実力以上の困難を踏破できるんだ!」と読者さんに思ってもらえるお話にしたかったのです。

キキは、実はメチャクチャ強いので、いわゆる「縛りプレイ」に挑んだのですね。



過去世・未来世の繋がりは今作にもある。

「このキャラはドラクエに出てくる〇〇キャラの過去世」といった裏設定が、今作にもあります^^

今作ではいちいち説明しませんが、名前によってほとんど察しがつくでしょう。



アミンのじいちゃんは怒っていない!

アミンの祖父(ワフルの里の村長)は、「私の目の黒いうちは二度と里に立ち入るな!」とアミンを勘当しました。アミンはここで絶望しましたが・・・実はアミンのじいちゃんは、アミンに対してそんなに怒っていません。

アミンのじいちゃんは、やがてアミンがこの里の村長やそれに類似するリーダーになることを見据えています。

そして立派な村長となるためには、「外の世界を見てくるべき」「里を守れる強さを得るべき」と確信しています。だからこの機会を利用して、アミンに長い過酷な旅をさせたのです。



キキちゃんの《ミナデイン》はレプリカ(笑)

キキちゃんが最後にボスに放った《ミナデイン》は、実は《ミナデイン》ではありません。

《ミナデイン》《ギガデイン》という最強の魔法は、勇者にのみ許された特権です。キキちゃんはその資格がありません。

キキちゃんは「勇者のマネっこをする」と言って大技を放ちましたが、その中身はイオ系魔法の増幅物です。イオ系魔法を雷の形に模して撃ったのです。

その前に撃った《真・おとめ座流星群》に関しては《ライデイン》の多発です。これも、勇者だったらオートマチックで追尾機能が発動しますがキキちゃんはその資格がないので、自分で避雷針をこさえました。

別に《ミナデイン》を模す必要性も無かったのですが、「ラスボス撃破するときはやっぱデインの魔法でしょ」というロマンに、彼女は応えたのです。

また、「勇者=デインが得意」ということを魔王が対策している可能性を先読みして、彼女はイオ系でデインを模す対策をしていた、という理由もあります。


ちなみにキキちゃんは、皆のチカラを合わせて撃ったあの《ミナデイン》よりももっと強力な魔法も使えます(笑)



まりんちゃんのモデルはもちろん・・・

ダンスコンテストに出場したまりんちゃんのモデルとなったのは、当然ながら、フィギュアスケートの本田真凛さんです。

フィギュアスケートから何かを抜粋するなら、もっと優秀な選手がいるだろう!という声が上がりそうですよね。

私は、フィギュアスケートについて詳しくありません。技の細かい技術について何も見分けがつかず、分析も出来ない立場ですが・・・本田真凛さんのスケートのクオリティーは、他の選手とは次元が違うと思っています!

競技としての技術が日本で20番目くらいなのだとしても、「氷上の総合芸術家」としては、群を抜いていると思います!

彼女は、「音楽、衣装、顔立ち、表情、体型なども含めて作品」とこだわっているように思います。

選ぶ音楽が、美しくて明るいメロディのものが多いのですよね!おそらく彼女の頭の中には、「かわいい、明るい、美しい演目でありたい」という確固たるイメージがあって、それに沿って演目を創り上げているのだと感じます。

その結果、見ていてとても気持ちのよい、明るくて美しい演目になるのだと感じます!

そして芸術というのは、そのように、鑑賞する人を明るく幸せな気持ちにするものが最善だと、私は思うのです^^

目指している場所が、他の選手とは大きく違うように見えます・・・!



オマケ

オープニングテーマの歌詞草案


そっと世界を変えてやれ


山の向こうには 知らない世界

私のために誰かが 必死で造ってるところ

現実とファンタジー その境界線は

赤いペンキで引いてあったりはしないの


私はななで ゆなで アミンで キキ

良い意味でわからない 自分が誰であるのか


 どこだって何かと 戦わなくちゃいけなくて

 勝てないと気づいたの 退屈にだけは(笑)


踏み外したなら 続かない世界

いつもギリギリを 駆け抜けていくの


私はななで ゆなで アミンで 危機

絶望を知らぬ者が 抜け道を探し続ける


 練習で出来ないことは本番も出来なくて

 出来ないと思っても どうにかはなるの(笑)


武器じゃないものを装備して

チョッと チョッと 強くなれ!

刃じゃないもので立てついて

そっと世界を変えてやれ・・・!!


 どこだって何かと 戦わなくちゃいけなくて

 勝てないと気づいたの 退屈にだけは(笑)


 練習で出来ないことは本番も出来なくて

 出来ないと思っても どうにかはなるの(笑)



『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』 了


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