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エピソード179 『天空の城』
エピソード179 思い残すことはないな、と確認すると、れいはマヤを抱きしめてからクスコの街を旅立った。 そして北方へと向かう。サマンオサに戻って船に乗らねば。長い旅の中で、いつの間にか所持金は3万ゴールドを超えていた。普通に客船の乗船券を買うことは出来た。 客船の雰囲気は行きの貨物船とはずいぶん違う。とても上等だし快適だ。ご馳走がたくさん出てくる。昼も夜も食べ放題だというからたまげる。しかし、客船のほうが貨物船よりも良いのかと問われれば、れいはそうとは言い切らない。「貨物船のほうが良い」とも言わないが、あの日貨物船での渡航を経験出来たことは、とても幸せだったと思う。 サンマリーノに到着すると、れいは雑多な店の中から世界地図を探して購入した。れいはガーデンブルグから気球に乗って北の地にワープしてしまったゆえ、それ以外の道のりでガーデンブルグに赴く方法がよくわからない。単純に来た町を戻ってしまうと、温泉宿で行き詰まってしまいそうだ。 幸いガーデンブルグへは、サンマリーノから南西側に円を描いて赴くことも出来た。そして新しい町を幾つかお目にかかりながら、
エピソード178 『天空の城』
エピソード178 しばらくは、ロイドの窃盗団が復讐とか奪い返しとか企てる懸念がある。れいは戦闘訓練も重ねたかったので、用心棒を兼ねてさらに数日、この街に滞在した。マヤはそれをとても喜んだ。 ある日の朝。れいの部屋の窓枠に、突然何かが飛来した!...


エピソード177 『天空の城』
エピソード177 普通、鳥が盗まれても行方を掴むのはそう難しくない。狭いところに閉じ込められればなおさら、鳥はピーチクパーチクと騒ぐ生き物だからだ。しかしあろうことか、このロイドという種は、とても利口で、ほとんど鳴かない・・・。...


エピソード176 『天空の城』
エピソード176 翌日は街をぶらぶらと歩く。虹色の鳥を見るという目的は宿の中で達成できてしまったので、あてもなくぶらぶらと歩く。 中央広場からは大きな教会が見え、その反対側の空には大きな山がそびえる。あれが霊山か。ピサック山というらしい。空を見上げると、雲が近く見える。なぜ...


エピソード175 『天空の城』
エピソード175 れいはリッカとの話の通り、虹色の鳥の住む町を目指した。そうでない町に行きつけば、「虹色の鳥の町はどこか」と尋ねてすぐに旅立った。しかしこの土地の者が言うに、虹色というか極彩色の鳥は、この大陸に幾らでもいるらしい。それを飼うことが文化になっている町が1つ2つ...


エピソード174 『天空の城』
エピソード174 町「れいと言ったか。 そなたは、村を出て今何をしているかわかっているか?」 れ「私は、旅をしているのです」 町「そうじゃがな。 旅をするとは、どういうことかわかるか?」 れ「うーん。それは私にとって、娯楽のようなものです。...


エピソード173 『天空の城』
エピソード173 れいが村長の話に聞き入っていると、一人の少女が目の前に現れた。 れいを見てニコニコと微笑んでいる。 少「お爺さま。遅くなりました」 町「あぁ、問題ない。 これはわしの孫娘じゃ。 リッカ。挨拶をなさい」 リ「はじめまして。村長の孫のリッカです。うふふ。...
エピソード172 『天空の城』
エピソード172 れいが町を見渡しながらポカンとしていると、住人の一人がれいに気づいた。 男「おまえ、どこから入ってきたんだ!」 れ「す、すみません。扉が、動いてしまったもので・・・」そう説明するしかない。れいは腰の刀を床に置いた。...


エピソード171 『天空の城』
エピソード171 れいは台座の淵まで歩き、その高台から風景を眺めた。 ただただ風の音だけが流れている。 やることがなくなってしまった。 ここからどの方角に行けば町や村があるのか、まったく情報がない。どうしよう? れいは太陽を探した。まだ日没までには時間がある。15時くらいか...


エピソード170 『天空の城』
エピソード170 やがて、大きな荒れ果てた町を見つける。城跡の女の言うことは間違いではなかった。 戦争で壊された雰囲気がある。誰もいない。生き物の気配があっても鳥が何かをついばんでいるだけだ。 領土を奪うでもなく、ただ民だけが殺された町。じゃぁ何のために滅ぼしたのか。歯向か...


エピソード168 『天空の城』
エピソード168 アドル アドルはれいを、街の教会へと連れていった。 ここの神父とアドルは、親しい仲であるらしい。 アドルはいきさつを神父に話す。相変わらず少々怒りながら。 神「なるほど!すばらしいお方です!それは報いが必要ですな」 ア「だから神父さんよ。魔導書の解読を手伝ってやってはくれぬか?」 神「解読ではなく、魔法そのものの伝授をして差し上げればよいと思います。 この本が解説しているのは《ベホマ》。回復魔法の最上位です」 れ「《ベホマ》!」マローニが使っていたやつだ。 ア「君、その魔法すら持っているのかね?」 れ「いいえ、使えません!」 神「それなら良かった。とても良い報酬だと思いますよ。喜んでお手伝いさせていただきます」 ア「良かった!良かった!」 神父はれいに、《ベホマ》の魔法のイニシエーションを施した。 れいは《ベホマ》を覚えた! ア「れいと言ったかね。 もしいつかカネに困ったら私のところに来なさい。いいかい!忘れるんじゃないぞ!」 いつまでも怒り口調なのだった。カリカリした、正義感に満ちた人なのだ。 アドルは忙しそうに帰っていっ


エピソード166 『天空の城』
エピソード166 れい!れい!起きて!目を覚まして! れいは、自分を呼ぶ声を聞いた。あぁ、死後の世界にやってきたのだろうか。声もなんだかすごいエコーで響いている。現実の世界とは思えないや。 れい!れい!意識をしっかり持って! まぶたが動いたわ!...
エピソード165 『天空の城』
エピソード165 デイジーと別れるとき、デイジーは昔の戦士の英雄が造ったという凄まじいダンジョンに向かうと言っていた。デイジーは、この鍾乳洞のようなダンジョンを一人で平然と攻略する自信があったのだろう。すごい・・・!そして、もしあのときのれいがそれに同行していたら、おそらく...
エピソード164 『天空の城』
エピソード164 れいは段々宝箱などどうでもよくなってきたが、《はやぶさの剣》を見つけ出すという使命感がある。するとやはり、丁寧に宝箱を開け続けなければならないのだった。遠回りを繰り返しながら。 必然的に、洞窟探索というのは非常に長期戦になる。「戦い続けるための無尽蔵の体力...
エピソード163 『天空の城』
エピソード163 れいは洞窟を見つけた。 なるほど。遠巻きにはわからない。近くまで寄れば、地面がえぐれるように穴が開き、そこから横穴が伸びていく鍾乳洞がお目見えするのだった。 入口が地上よりも数メートル低いので、入ったそばからもう涼しい。鍾乳洞というものの得体を知らない者は...
エピソード162 『天空の城』
エピソード162 れいは大きなボロボロの世界地図を抱え、わなわなと震えた。 れ「ね、ねぇ?この地図、持っていってもいい?」 子「ダメ!」 まぁそうだろう。 どのみち、詳細な場所を知るには縮尺が曖昧すぎる。 質問を変えてみた。 れ「ねぇ、このあたりに大きな洞窟ってある?」...
エピソード161 『天空の城』
エピソード161 れいは再び歩きだす。 日差しが強く感じるのは、遮るものがないだけでなく、海や砂浜が光を反射するからか。マローニみたいに帽子が欲しいな。そして風とおしの良いワンピースが。 やがて村は途切れ、ヤシの木と海に挟まれて歩き続けていると、奇妙なものを見つけた。...


エピソード160 『天空の城』
エピソード160 マローニ 二人は海を眺めながら腰を下ろした。 マ「西の大陸の、ガーデンブルグという国から来たの。あぁこの国の名前は・・・」 れ「ガーデンブルグ!私、そこに行きました!」 マ「えぇ、本当!?」 れ「はい。つい数か月前です。とても美しい国でした」...


エピソード159 『天空の城』
エピソード159 水平線の彼方まで続く鮮やかな水色を眺めながら、れいは思った。 れ「なんだか懐かしいような気がするわ。 私、遠い昔、こんな水色の海の村に生きていたような気がする・・・!」 それは本当に不思議な感覚だった。れいは、木々の緑を愛していると自覚している。緑ののど...
エピソード157 『天空の城』
エピソード157 ついに辿り着いた東の大陸サマンオサは、想像したほどのカルチャーショックも驚きも無かった。 この街はサンマリーノによく似ている。巨大な港町であり貿易都市であり、金持ちばかりが集まっていて忙しない。イライラしていて治安が悪い。...
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