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エピソード63 『天空の城』
エピソード63 洞窟の狭い部屋の中で、セーニャは襲い来るドラキーの群れに必死で《聖なるナイフ》を突き立てた! ザク!ブシュ! 痛手を与えれば今度は悲痛な声で耳をつんざいてくる!攻撃が決まれば血が飛び散る! 誰かがセーニャの足に噛みつく!誰かがセーニャの頭をバサバサと殴る!...


エピソード62 『天空の城』
エピソード62 なおも歩く。すると、また分かれ道に出会う。 セーニャは目を凝らす。 セ「また宝箱だわ! え?右も左も両方とも!」 なんと、右の道にも左の道にも宝箱が待ち構えているではないか。 セーニャは咄嗟に駆けだしそうになったが、ぐっとこらえた。罠かも?何かヒントや警告...


エピソード61 『天空の城』
エピソード61 なんと目の前の壁が、山の内側に口を開き始めた! デ「やはり内部に洞窟があるのか!」 挑戦者の訪れを感知して、洞窟の壁のロウソクが勝手に灯った。しかし奥はよく見えない。 デ「魔法のチカラが働いているな」 れ「セーニャ、がんばって!きっと出来るわ!」...
エピソード60 『天空の城』
エピソード60 そこからは、なだらかな傾斜を描きながら、道とも言えぬ道が続いている。崖をよじ登るよりは随分マシか。そうだが、灼熱の太陽がジリジリと照り付けてくる。決して良くない足場の中を、はっはと息を切らしながら登る。 数百メートル歩いただろうか。らせん状の山道は、歩いた距...


エピソード59 『天空の城』
エピソード59 一行は一旦里に戻って休息を挟んでから、地球のへそとやらに赴くことにした。 どこに行くのか、地球のへそが何なのか、貝塚で何を見たのか・・・それらは里の者には言っていない。勇気と行動力のある者だけが知っていればよいことだろう。少なくとも今の段階は。色々騒がれても...
エピソード58 『天空の城』
エピソード58 会話が多岐にわたると、デイジーの旅の目的を打ちあけることにもなる。「《はやぶさの剣》を探している」と。 すると、「里の向こうの貝塚で剣らしきものが出土することがある」と里の大人が教えた。 《はやぶさの剣》が貝塚から発掘されることはあまり考えられないが、遠出と...


エピソード57 『天空の城』
エピソード57 一行はワイズの家に戻った。 セーニャは寝ずに、震えながら待っていた。 ワ「セーニャ!旅のお方がお前の命を救ってくれたぞ!」 セ「なんと! ありがとうございます!ありがとうございます!」 デ「礼には及ばない。早く眠りたいだけだ」 セ「デイジー様!...
エピソード55 『天空の城』
エピソード55 デ「酋長のところに行くぞ。仲介を頼む」 一行は酋長の家へと赴いた。 日干しレンガの家には、豊かな白ヒゲを蓄えた髪の長い男が、昼間から酒を呑んでいた。 ワ「酋長。旅の者がお会いしたいと」 酋「なんだ」 デ「山の神は、魔物ではないかという噂があるようだが?」 酋「私は神と交信しておる」 デ「神である証拠は?」 酋「山の神と名乗っておる」 デ「しかし人相が随分悪いようだな。魔物のように。 それだけじゃない。娘をさらっていくそうじゃないか」 酋「さらっていくわけじゃない。 飢饉の際に村を救う代わりに、生贄を求めてくるだけだ。 おまえは対価を求めずに人を助けるのか?」 デ「随分とそうしてきたが。 おまえのところの神はオレよりも器が小さいのだな」 酋「おいワイズ。こいつは喧嘩を売りに来たのか?」 れいがたまらず口を挟んだ。 れ「酋長様。1つだけご意見があります」 れいはゆっくりと、1つ呼吸を置いて続けた。 れ「神が、生贄を求めるわけがありません」 酋「なに!?」 れ「本当の神は、生贄など必要としていないはずです。 その者がトウモロコ


エピソード54 『天空の城』
エピソード54 床には乱雑に織物が敷いてある。2人はそこに腰を下ろした。 パイプを吸っていた老人がテントの中に戻ってきた。 老「剣を持っとる。冒険者だな?」 デ「あぁ」 老「頼みがある。 神を、倒してはもらえんか?」 れ・デ「え!?」 老人は無表情にゆっくりと言った。 呆けているのか、寝ぼけているのか、その発言だけでは要領を得ない。 老「あとで娘が話すだろう」 ワイズ キャラデザ by 絵夢さん 数十分の後、ワイズは少女を伴って戻ってきた。 ワイズは手に肉を持ち、少女はフルーツを抱えている。 ワ「娘のセーニャだ」 セーニャ キャラデザイン絵夢さん セ「こ、こんにちは。旅の方」 れ「お世話になります。私はれい。こっちはデイジー」 セーニャの年頃は、自分より3つほど下かなとれいは思った。 デ「神を倒せ、とはどういうことだ?」 ワ「あ?」 デ「爺さんがそんなことを言ったぞ。 魔王が襲ってくるのか?」 ワ「あぁ、爺さんそれを話したのか。 魔王ではない。山の神を名乗る者が、わしらの悩みの種なのだ」 デ「詳しく聞かせろ」 ワ「さっき少し話した、気分屋の


エピソード53 『天空の城』
エピソード53 翌日はスタンシアラを出た。 そこからは少し長旅になったが、ずっと北の荒野地帯を目指した。 ときには荷馬車に乗せてもらうこともあった。たくさんの戦闘をデイジーとともに重ねた。 やがてアライゾという赤茶けた土地に辿り着く。 奇岩に覆われた、太古の地球を思わせるような広大な土地だ。絶景、とも言えるだろう。れいが憧れた、サランの村の日常とは大きく異なる風景の1つと言える。 小高い奇岩の1つに登って周囲を見渡すと、絶え間なく風が吹き抜ける。 1つ集落が見えた。そこに目的地を定める。 れ「デイジーはアライゾに来たことがあるの?」 デ「ハーメリアの・・・北の国の領土の、こういう荒野に来たことがある。似た風景だった。 原住民の暮らしも同じようなものだろう」 アライゾの里だ。 ここの原住民は、三角錐の形のテントをこしらえて暮らしていた。なるほど、とても原始的だ!石積みの家も面白かったが、これほど簡素な家に住むというのはとても興味深い。れいの胸は震えた。 れ「布張りの家で暮らせるの?」 デ「雨が降らないんだろう」 得体の知れぬ部族の里だというのに、
エピソード52 『天空の城』
エピソード52 翌日は、特に予定もなかった。 朝食を食べると町をぶらぶらと歩く。 町のはずれでは、新しい家を建てる男たちがいた。この町特有の、石を積み上げて泥で固めていく工法だ。 れいは興味深くそれを眺める。れいの歩調が緩くなる。...
エピソード51 『天空の城』
エピソード51 町に戻り、夕飯を食べる。 宿に戻ったが、「たまには夜の町を歩いてみるか」とデイジーが提案した。 れ「私、夜の町ってあまり好きじゃないんです」 デ「だからこそ、オレが居るときに経験しておいたほうがいいだろう」 たしかに。こんなに心強いボディーガードはいない。...
エピソード49 『天空の城』
エピソード49 炭坑に着いた。 山にはポコポコと穴が掘られていて、まるでモグラかアリになった気分だ。 そしてミニチュアの線路が敷かれている。れいは線路というものを初めて見た。まだ長距離交通としての鉄道は普及していない。 やはり炭坑には炭鉱夫たちが居て、「何者だ?」と行く手を...


エピソード48 『天空の城』
エピソード48 ルマの町から馬車道沿いに進むと、新しい町は発見出来た。 また町の向こう側には小高い丘が見える。しかし今度はお城など立っていないし、森で覆われてはいない。 デ「鉱山で栄える町、だろうな」とデイジーは言った。...
エピソード47 『天空の城』
エピソード47 れいが動かなくなると、ガストンはキョロキョロと挙動不審になった。 れいの体にそろそろと近寄り、しかしガストンは止まった。 ガ「あの厄介な剣士を先にしたほうがいいな」そう小声でつぶやく。 そして、そろりそろりと隣の部屋へと抜けていった。...


エピソード46 『天空の城』
エピソード46 ガストン キャラデザ by 絵夢さん ガ「デイジーと言ったか?君、剣の扱いに長けそうだなぁ。 そうだ。ちょっとあの窓の下の、伸びすぎたバラのイバラを剪定してきてはくれないか? お給金をやろう。1,000ゴールドでどうだ? 割のいい仕事だろ?オレは金持ちだからな」 デ「・・・。 いいだろう。あの一角のバラだけでいいんだな?」 ガ「あぁ。すぐ済みそうだろう?」 デイジーは剣を持って、庭に出ていった。 れいも後を着いていこうとする。 ガ「いやぁ君はいいんだよ」ガストンはれいの手を引き留める。 デ「オレ一人で充分だ」とデイジーもれいを制止した。 私は残っていてよいのか。しかし、一人で・・・? ガ「あははは。なかなか食べられないな。 そのドアの先に手洗いがあるよ。手を洗えばチーズもパンも食べられるだろ」 れ「えぇ、そうですね」れいは手洗いに立った。 その隙にガストンは、デイジーのワイングラスに何かの薬を混入した! ガ「さぁさぁ、お腹を満たしたまえよ」 れ「えぇ、いただきます」 すると、3分もしないうちにデイジーが部屋に戻ってきた。


エピソード45 『天空の城』
エピソード45 まさか「吸血鬼を退治しに来た!」とは言えない。するとどう自己紹介すればよいのだ? れ「み、道に迷ってしまいまして・・・」とれいはとっさに言い訳をした。言い訳として苦しいと思ったが・・・ 男「ははは、そうなんだよな。ブルガ城に向かうつもりが、登る山を間違えてしまう人が多いんだよ。 そうかそうか。大変だったね。 食事でもしていったらいい。粗末なもんだがいいかい?」 ガストン キャラデザ by 絵夢さん れ「え、えぇ」と答えてから、れいはデイジーの顔を窺った。 デイジーは「いいだろう」と頷いている。 結局、何の証拠もない状態で「お前は吸血鬼か!」と問いただすわけにはいかない。それでは逮捕も成敗もできない。相手が尻尾を出すのを待つ必要があるのだ。 つまり「おとり作戦」が必要であることを、ここまで来てかられいは気づいた。そんな危険な巧みなことが、自分に出来るのだろうか?ちょっと青ざめてくる。 ガ「オレはガストンというんだ。ここで一人で暮らしているんだよ。変わり者だろう?ちょっと病を患っていてねぇ」 れ「お体心配ですね」 ガストンは2階の


エピソード44 『天空の城』
エピソード44 神父はれいの顔を見ながら、さらに話した。 神「もっと自分を高めたい、とお思いですか?」 れ「はい」 神「あなたにお勧めの課題があります。 相手の目を見て、話すようにしましょう。 コミュニケーション能力であり、愛想の練習です。 あなたは少しシャイなのでしょうね。それは悪いことではありませんが、もう少し自信を持った表情をし、力強く話したほうが、人から信頼を得られやすくなると思います。 今はまだ、『親の保護が必要な子』というふうに見えます。 れ「はい・・・」たしかによく心配されている。 神「時には冗談を言ったり、皮肉を言ったりすることも良いことですぞ。相手の頭をなでたり、肩を抱きしめたり出来るでしょうか? これらは魔法の習得と同じで、簡単に会得できるものではありません。しかし、旅というのはその練習にとても役立ちます。出会いと別れが多いから、ですね」 なるほど。何の教科でもないが、学んだほうが良いことのようだ。 れいは町で聞いた話をデイジーに報告した。 やはり吸血鬼とやらを討伐しに行こう、ということになった。 翌朝2人は町を出発
エピソード43 『天空の城』
エピソード43 食事を終えると宿を確保した。 れいは、せっかくなのでブティックを覗きたい、と言ったが、デイジーは「興味がないから別行動をしよう」と言って宿のベッドで昼寝をはじめた。 町の中なら大きな危険もないだろう。れいは一人で町をぶらつくことにした。...
エピソード42 『天空の城』
エピソード42 デイジーはなぜさすらっているのか? 尋ねてみると、《はやぶさの剣》という武器を探し求めているらしい。非常に希少なもので、街の武器屋では扱っていない。伝説の武具の1つである。 これは元々彼女の家系の家宝で、いつぞや盗まれてしまった。デイジーはそれを取り返したい...
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