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エピソード99 『天空の城』
エピソード99 アンリ 着替えを済ませて腹ごしらえをすると、教会へと赴いた。 ア「司教様、お話があります!」 司「えぇ、なんですか?」カテドラルのお偉いさんは、優しそうな人である。 アンリは司教を裏手へと連れていく。 ア「あのう、しばらくお休みをいただけないでしょうか?」...


エピソード98 『天空の城』
エピソード98 しかし、翌朝のことだった。 ドンドンドンドンドン! 誰かがれいの寝室の戸を叩く。 「れいさん、まだここに居るの?」 あの声はもしや・・・ れいは慌ててドアを開ける。 ア「良かったぁ!まだ居てくれたわ。私、アンリ。カテドラルのシスターよ」 アンリ...


エピソード96 『天空の城』
エピソード96 朝日が少しずつ昇りはじめる。 すると、空も屋根も街並みも、少しずつ色合いが変化していくのだった。なんという壮大な芸術だろう。 れいはこの、名前も付けられぬ複雑で壮大な芸術を、一人静かに鐘楼から、ぼーっと眺めていた。寒い。早朝の強風の吹く鐘楼はとても寒いが、そ...


エピソード95 『天空の城』
エピソード95 カラクリ部屋とやらに到着したようだ。大きな歯車が複雑に絡み合って、前衛芸術のように見事に鎮座している。 れ「歯車ってたしか、どれか1つでも部品を取ってしまったら全部バラバラになっちゃうんだわ」心臓がバクバクしてきた。れいは余計なものに触らないように、慎重に動...
エピソード94 『天空の城』
エピソード94 教会の裏手側の小さな勝手口に通される。夜中の教会など初めてだ! 勝手口から入っても立派な聖堂はお目に掛かれない。どうせ真っ暗か。勝手口の中には、宿直であろうシスターが待ち受けており、まごまごと不安そうにしている。 宿「この子が登ってくれるってよ!」...
エピソード93 『天空の城』
エピソード93 街のどこにいても、中心にそびえる時計塔はよく見える。それは時間を知るためのものでありつつ、方角を知るための役割をも担っているようだった。「えっと、時計塔があっちだから私の宿は・・・」というふうに位置関係を把握する。...


エピソード92 『天空の城』
エピソード92 サザンビークにおいて、れいはちょっとした英雄になってしまった。れいの為した功績はすぐに城下町に知れ渡った。「青いローブを着た、戦士か魔法使いかよくわからぬ少女」と形容されれば、誰にでも気づかれる。 「れい様!」「れい殿!」「うちのハンバーグにお代は要りませんので!」と言われれば気分もよいのだが、しかしその貴族扱い、英雄扱いを、れいはすぐ嫌になってしまった。 貧相な装備をまとって蔑まれるのは不快なものだが、目立たぬ装備をまとって平均的な人間として扱われていたほうが心地よい。れいはそう思うのだった。 この街の中で「れい様と呼ばないで」と言っても埒が明かない。しばしの観光と休息を挟んで、れいはここを旅立った。 戦士か魔法使いかよくわからぬれいちゃん 直線的に、数学的に設計された建物に、アールヌーボー調の流線的な装飾。そんな街並みをれいは気に入った。 いや、緑多き田舎に行けばそれが気に入り、赤茶けた荒野に行けばそれに興奮するれいなのだが、このサザンビークのような美的文化も気に入ったので、もう少し続けてこういう街を巡りたいと思った。...


エピソード91 『天空の城』
エピソード91 一旦の解散の後、用心棒に志願した者たちは再び城に集められた。 大臣に化けたボストロールを討伐しただけでなく、それなりに皆苦労を被っているゆえ、皆に褒美や労いを与えようと王は考えた。 そして、今回の依頼の目玉である《いかずちの杖》の行方だ。...


エピソード89 『天空の城』
エピソード89 大臣が試合の結果をまとめる。 大「戦士の用心棒はれい。 魔法使いの用心棒はサーヤ。 以上に決定する」 サーヤ キャラデザイン絵夢さん れ「選ばれることが出来たわ!」 サ「《いかずちの杖》はいつ頂けるのかしら?...


エピソード88 『天空の城』
エピソード88 戦士ネルソン 2つ目の隙が出来たその瞬間! れ「《ホイポイ》!」れいはここで《破邪の剣》を物質化した! 相手がまごついている間に駆け寄り、逆手から利き腕を斬りつける! ブシュっ!大男に確実にダメージが入っている! ネ「この野郎!」 ネルソンはひるまず、剣を左手に持ち替え、不格好にれいに斬りかかる! れいはそれを体で受ける。皆は未だそれに青ざめる! 《風のローブ》は剣で少し切れてしまったが・・・血は噴き出さない!? 切り口の下には、《くさりかたびら》の鎖がむき出しになった。 れいは確かな痛みを懸命に耐える。痛い!でも大丈夫。 ネルソンの死に物狂いの一撃がれいに致命傷を負わせないことを証明すると、れいは精いっぱい虚勢を張って言った。 れ「これは私の勝ちでしょう」 ネ「うぐっ!」ネルソンはうろたえるが、まだ諦めようとしない。 れ「ローブの下に《くさりかたびら》を着ています。その上《スカラ》を掛けています。ボロボロの彼はもう私を倒せないはずです。 人と人との戦闘を、無暗に荒れさせたくはありません」 ネ「ぐぐぐ・・・。 ・・・・・・。
エピソード86 『天空の城』
エピソード86 大臣はれいに、客間を1つ用意した。その豪華さに驚くばかりのれいだった。ベッドはまるでトランポリンのように弾み、洒落た天蓋(てんがい)も付いている。カーテンにはたくさんの刺繍が施され、それを眺めているだけで数日暇が潰せそうだ。...
エピソード85 『天空の城』
エピソード85 幾つかの階段を上がると、ひと際立派なフロアへと辿り着いた。 兵「ここは王の間。何用だ!」 れ「王様に謁見に参りました。戦力をお求めと伺っていますが」 兵「おおそうか!通るが良い」 立派な玉座は、威厳に満ちた、でも下がり眉な王が座り、落ち着きのない大臣がそのそ...


エピソード84 『天空の城』
エピソード84 風のローブを装備するれいちゃん サザンビーク。大きな街だが人口密度はそうでもない。 王宮お抱えの兵士が町を徘徊していて、それゆえに町民自体は大人しいのか。貿易や快楽を求めて行き交う商人の数は少なく、街全体がやや大人びた印象を受ける。 しかし食堂に入って耳を傾けてみると、休憩中の兵士たちは城のグチをこぼしていたりする。 兵「ダメ王子の儀式の件、どうなることやら」 兵「この国はいつまで世襲を続けるつもりなのかなぁ」 という具合だ。 街より城にフォーカスすべきか、という気がした。 やがて、ひと際立派な、白い鎧の兵士が店に入ってきた。この庶民的な食堂には似つかわしくない感じがする。 しかし男は席に座ると、「いつもの!」と女将に親し気に注文した。 白「町は変わりないかな?」 女「えぇえぇ、おかげさまでね」 白「そうか、良かった」 城の上級兵士だろうか。それとも他所の冒険者だろうか。城に出入りする隣国の騎士か。よくわらない。 食事を終えるとれいは、立派にそびえる城に向かって歩いてみる。 すると前庭の前の馬車置き場に、男と女の姿が見える。...
エピソード83 『天空の城』
エピソード83 道なりに行ったが、どうやら山を越える。そんな話は聞いてないぞ!冒険者たちは山の1つや2つを障害物とはみなしていないフシがある。まぁれいもそれには慣れつつある。大して大きな山でもないし、道もあった。れいのふくらはぎは、もうかなり強い。...
エピソード82 『天空の城』
エピソード82 れいは久しぶりに一人になった。ロマリア城下町の周囲は平原で緊迫感は薄く、出現する魔物もいくぶん弱いものだった。れい一人でもどうにかなる。魔法を使ってみたり剣を振るってみたり、自慢の剣から《ギラ》を放射してみたり、色々試行錯誤しながら冒険した。...
エピソード81 『天空の城』
エピソード81 ロマリアの街をさらに歩く。 大きな街ならではの利点は何だろうか? そうだ。大きな街なら本屋や図書館があるかもしれない。町の人に聞きながらうろつくと、路地裏に小さな古本屋を見つけた。インテリそうな眼鏡の男性が、本を読みながら寡黙に店番をしている。...
エピソード80 『天空の城』
エピソード80 武器屋の前を通りかかる。どのちみ武器も防具もまだ新調するつもりはないが。 武「へいらっしゃい!」武器屋の親父は威勢が良いが、れいは静かに店内を眺める。威勢の良さに妙な違和感を感じ取った。 武「これなんかどうだね?...
エピソード79 『天空の城』
エピソード79 神父が教会を捨てて旅立ってよかったのだろうか?セレンがあれだけ戸惑ったのだから良いと簡単に言えるものではないのだろう。それを手助けした自分は重罪なのかもしれない。だからためらうが、れいはこの街の神父に、「ある神父の旅立ちを助けながらこの街に来た」と吐露した。...
エピソード78 『天空の城』
エピソード78 やがて、ついに、ロマリアの城下町に到着した! セ「ついに私、新しい街に訪れることが出来ました!」 れ「良かったですね」 セ「これもすべてれいさんのおかげです!用心棒としての戦力だけの問題ではありません。れいさんがメンタルケアをご助言してくださらなかったなら、...


エピソード77 『天空の城』
エピソード77 さぁ、ついに他の町へ旅立つことにするか。 れいはセレンに、1つ助言をした。 魔法を使えなくなる局面が来るかもしれないから、何か武器を持ったほうがよいのでは、と。 セレンは同意し、武器屋で《いばらのムチ》を調達してきた。冒険の初歩の武器である。遠巻きに攻撃出来...
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