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エピソード4 『人魚たちの償い』
エピソード4 ある日父は、 私たち家族をリビングに集めて、家族会議を開いた。 「おまえたちに話がある。とても重要な話なんだ。 実はな、父さん、 カリブ海の開拓地の診療所に、応援を頼まれたんだ。 島の診療所で、患者を診てほしいと、な。」...
エピソード5 『人魚たちの償い』
エピソード5 学年度の切り替わる、夏のことだった。 私たちは船に乗って、一路カリブの地を目指した。 残念なことに、あまり上等な船ではなかった。 「島流しだからね」と父は笑っていたが、 実際、あまり優遇されていないことがよくわかった。...
エピソード11 『人魚たちの償い』
エピソード11 翌朝。 空が明るくなると、まぶしくて自然と目が覚めてしまった。 寝起きであるのも伴って、外気はかなり肌寒かったけれど、 耐えられないほどではなかった。 今は何時だろう? まだ日は出ていないので、5時前だったのではないかと思う。...
エピソード9 『人魚たちの償い』
エピソード9 父とアントニーは、ねぐらの確保を目論んだ。 しかし、建築素材となりそうな棒切れは、ほとんど見つからない。 ヤシの木に枝はないのだ。 どこからか流れついた流木を、二人は必死にかき集めた。 流木探しに3時間を費やせども、集められたのは十数本ほどだった。...
エピソード17 『人魚たちの償い』
エピソード17 そうしていつしか、1年が過ぎた。 約束の日の夜、私は再び、岩場へと出ていった。 イレーナは、そこで私を待っていた。 「お久しぶり。 顔も体も、ずいぶんとたくましくなったわね。」 「ありがとう。自分じゃあまりわからないけれどね。...
エピソード13 『人魚たちの償い』
エピソード13 真夜中。 みんなより一足早く眠った私は、真夜中に目が覚めてしまった。 再び眠ろうと試みたけれど、目は冴えてしまったので、 少し散歩でもしてみることにした。 洞穴から出ると、満天の星空が見えた。 見事な数の星々が、空一面、視界一面に、キラキラと瞬いていた。...
エピソード12 『人魚たちの償い』
エピソード12 私たちはまず、ヤシとやらの実を食べてみることにした。 しかしこれが、なかなか割れない。 「だから言ったでしょ。」母は言った。 地面に打ち付けたり、流木を叩きつけたりしてみたけれど、だめだった。 アントニーが、もっと硬い地面なら割れるかもしれないと言うので、...
『人魚たちの償い』まえがき
まえがき 人魚の絵が大好きな、医師ガルシア。 スペインでのつつがない日々は、次第に荒れ模様となっていき… 対象年齢は、高校生以上を想定しています。
『私の彼は有名人』まえがき
まえがき このお話は、中編程度の長さの恋愛小説です。 有名人と恋愛するヒケツが、描かれています。 対象は、高校生かそれ以上の女性を想定しています。 『私の彼は有名人』
エピソード12 『私の彼は有名人』
エピソード12 彼のためにできることは何だろう? 次に思いついたのは、プレゼント作戦だ。 プレゼント作戦と言っても、彼になにかをプレゼントするわけではない。 私の友人知人に、プレゼントするのだ。彼のCDを。 とはいえ、唐突にCDなんぞ送りつけても、...
エピソード8 『私の彼は有名人』
エピソード8 路上ライブで、彼にそれを見せると、とても喜んでくれた。 良かった… 「余計なマネするな」って怒られないか、内心ドキドキだったのだ。 怒ったりするような人ではないけれど、 だからこそ、困らせたくはない。 彼は、ギターケースの横にそのフライヤーの束を置き、...
エピソード11 『私の彼は有名人』
エピソード11 パワープレイの成果は、みるみる現れた。 次のライブでは、彼のお客が20人に増えた。倍増だ。 放送部の仲間たちも、ライブを観に来てくれた。 その後も、それぞれがバラバラに、3回に1回くらいのペースで、 一緒に観に来てくれる。...
エピソード7 『私の彼は有名人』
エピソード7 そして翌日の昼番組では、 見事、彼の音源を校内の全員に聴いてもらうことに、成功した! DJは「トモちゃんステキー」と言ってくれた先輩で、 彼女は気を利かせて、「スゴいミュージシャンを発見したの!」と、 ハデなトークでお膳立てしてくれた。 …ビックリだ。...
エピソード9 『私の彼は有名人』
エピソード9 「ホストなんかやりたくない」と言っていた彼の気持ちが、 私にも、よくわかる。 私もまた、自分のことを派手に誇張したりアピールしたりするのが、 スキではないのだ。 でも、それが他人のためとなると、感じ方が変わってくるらしい。 彼を応援し、助けるためであれば、...
エピソード4 『私の彼は有名人』
エピソード4 彼は、1~2ヶ月に1度くらいのペースで、ライブハウスに出演した。 2回行って3回行くと、わかった。 どうも、彼のお客さんは、毎回固定のメンバーで、いっこうに増えていかない… なぜだろう? 彼の音楽は、とても素晴らしいのに。 私は、昔バイオリンをやっていたので、...
エピソード1 『私の彼は有名人』
プロローグ 愛しい人を手に入れた喜びは、語りつくせないものだった。 やはり、尽くされる恋愛の比ではない。 どんなに高価なブランド品よりも、愛しい人の抱擁のほうが、ずっと魅力的だ。 私は本当に、とろけてしまう。 この恍惚を知らない女性は、本当に、かわいそうだと思う。...
エピソード21 『私の彼は有名人』
エピソード21 ゴーストでの活躍は、私にとっては少し、寂しかった。 もっと、みんなに彼を知ってほしいのだ。 それに、彼の歌声で歌われたそれを、聴いてもらいたいのだ。 いや、 私が右往左往しなくても、業界は彼を放っておかなかった。...
エピソード20 『私の彼は有名人』
エピソード20 私は、もう耐えられなかった。 何に耐えられないって? こんなに身近に居るのに、彼に触れることができない… それがもどかしくて切なくて、もう、耐えられなかった。 半ば衝動的に、私は、彼に告げた。 「付き合ってください。あなたが大好きです!」...
エピソード2 『私の彼は有名人』
エピソード2 …私のホンネとしては、 ライブのお知らせメールだけでなく、 「今日はありがとう」とか「名前はなんていうの?」とか、 プライベートなメールが送られてくることを、ひっそり期待していた。 路上ミュージシャンと友達になった女の子のウワサは、...
エピソード3 『私の彼は有名人』
エピソード3 色々と頭をひねってみたけれど、 私にはやはり、律儀にライブを観に行く以外に、彼に近づく方法が無かった。 私は、翌週もその翌週も路上ライブを観に行き、 そして、ライブハウスのライブも、観に行った。 ライブハウスなんていうのは、 私にとっては初めての経験だった。...
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