top of page
エピソード16 『名もなき町で』
エピソード16 伊座利は小さな田舎町だった。海沿いの小さな小さな漁師町だ。 店も見当たらなければ、人影もない。 キミが想像しているより、もっと田舎だよ。100人しか居ないんだもん。 とりあえず、お腹を満たしたかった。 伊座利カフェなる店が集落の真ん中あたりにあるはずなのを思...
エピソード3 『名もなき町で』
エピソード3 旅慣れた僕にとって、見知らぬヒトの家(店)にいくなんて、 造作ないことだった、 いや、方向オンチなモンだから、しょっちゅうアクシデントには遭うんだけどさ(笑) かといって、 送迎なんか頼まずに自力で目的地に行くのは、僕にとってアタリマエのことなんだよ。...
エピソード32 『名もなき町で』
エピソード32 彼女たちの家は、そこから車で5分ばかしのところにあった。 つまり、「ひこうき」からもとても近い場所にある。 トンネルを抜ければすぐなんだ。 「彼女たち」というのはつまり、 その家の主はお父さん(らしきおっさん)ではなく、 その、若々しく見えるお母さんなんだ。...
エピソード26 『名もなき町で』
エピソード26 お客は週末くらいしか来なかったけど、 それでもすごく楽しかった。 彼らはたいてい、僕をその遊びに混ぜてくれて、 そしてフレンドリーに接してくれた。 礼儀やマナーはしっかりしてて、僕が手を焼くことはほんと皆無だった。 店もなく不便なことも多い施設なのに、...
エピソード1 『名もなき町で』
エピソード1 あれは、5年年のことだったかな。 いや、4年前かな?どっちか忘れちゃった。5年前だ。タブン。 まぁ、どっちでも良いことなんだよ。 4年前か5年前かで、この物語が大きく変わったりはしないんだ。 仮に4年のことだったとしても、「5年だ」って言っとく。...
エピソード11 『名もなき町で』
エピソード11 そうして1ヶ月も音楽三昧の日々を過ごして… あるとき一旦、店を離れることになったよ。 「お寺のお堂で寝てみたい」なんてことをミクシィで呟いたら、 マイミクさんの一人が、それに応えてくれたんだ。 熊本に住んでいるゆずちゃんが、「わたし、実家がお寺です!」だって...
エピソード27 『名もなき町で』
エピソード27 準備は順調だったし、レイキのお客もカフェのお客も来てくれたんだけど、 やはり僕とタコ八は衝突することになった。 レイキ伝授をここで営むのであれば、 僕は、この建物を禁煙にしたかった。 禁煙にしなくてもレイキ伝授は可能ではあるけれど、...
エピソード2 『名もなき町で』
エピソード2 何のハナシだっけ? そう。4年前か5年前かの、僕のハナシだよ。 ほぼ実話だけど、フィクションってことにしておく。 事実をありのままに描くなんて、書くほうも読むほうもくたびれるからさ。 4月から、世界一周の旅に出る予定だったんだ。...
エピソード38 『名もなき町で』
エピソード38 次に向かうアテなど、何にもなかった。 そしてそれ以上に、お金が無かった。 「再びお遍路道を歩くしかない」それが唯一の選択肢だった。 連日の稲刈りや自給自足生活で、僕の足腰はさらに強くなっていた。 もはや、何十キロ歩いても大して疲労を感じなかった。...
エピソード14 『名もなき町で』
エピソード14 ほとんど日を待たず、僕はようこママの店を出ることにした。 サラっとコッソリ出ようと思った。僕は、別れを盛り上げるのはスキじゃないんだ。 知ってる?お別れ会なんてのは、寂しさを助長するだけなんだよ。 それでも、どこから情報が漏れたのか、前日の晩のライブでは、...
エピソード12 『名もなき町で』
エピソード12 ゆずちゃんもまた、「いつまででも居てくれてもいい」と言ってくれた。 それはありがたい申し出ではあったけれど、 そもそもの僕の望みは、お寺に泊まることだったよね。 ゆずちゃんのアパートにではなく、ゆずちゃんの実家に用事があったんだ。...
エピソード30 『名もなき町で』
エピソード30 さて、お遍路道に戻ろうか。 たしか、 日和佐駅の近くの楽王寺が、僕にとっての最初の札所だったと思うよ。 札所っていうのは、お遍路道のチェックポイントみたいなものだね。88あるやつさ。 けっこう大きなお寺だったと思う。参拝者がたくさんいて、お遍路さんもいただろ...
エピソード5 『名もなき町で』
エピソード5 ようこママと話したかったことは、 そんなふうに、店の様子を眺めてるうちに把握できちゃった(笑) ようするに、 ようこママってのはそういうヒトで、 この店はそういう店なのさ。 彼らは、「事業者と消費者」という関係性でありながら、...
エピソード23 『名もなき町で』
エピソード23 そして7月末には、 伊座利集落全土をあげて、漁村留学が開催された。 田舎移住を検討している都会人のための、体験イベントだよ。 村人よりも多い数の参加者が集まって、地元のテレビクルーも来てたりする。 川原でシュノーケル遊びをしたり、...
エピソード29 『名もなき町で』
エピソード29 …ちなみに、 どうして僕が4時間しか歩けないフヌケか、話しておこうかな? 僕、足に障害があるんだよ。 障害なんていうと大げさなのかもしんないけど、 右足の付け根の関節が、ちょっとヘンなんだ。 子供の頃から、...
エピソード28 『名もなき町で』
エピソード28 僕は、店造りから急転直下、大急ぎで出ていく準備をはじめた。 オーラソーマをここに置いていきたくはないので、 ようこママに寄贈することにした。デジタル一眼レフと一緒に。 ようこママならきっと、有効活用してくれるだろうさ。...
エピソード24 『名もなき町で』
エピソード24 何もない日にブラブラ散歩してみても、面白いよ。 子供たちは、道ばたで楽しそうに遊んでる。トルコの田舎町みたいに。 彼らにはDSなんて必要なくて、カヌーだって本当は必要ない。 集落を縦断している川原は、夏の子供たちには天国で、...
エピソード27 『全ての子供に教育を』
エピソード27 俺は、その日のうちにもう、ロレン村をあとにした。 プーマが、ナンの町まで送ってくれた。 そこからバスに乗って、チェンマイに戻る。 もちろん、 利典さんに挨拶するためだ。そして、一部始終を話した。 彼は、「他の村を案内していれば良かったかな?」と申し訳なさそう...
『全ての子供に教育を』 『全ての子供に教育を』
エピソード21 翌朝起きると、 プーマが俺に、紙切れを差し出した。 汚い文字で、なにやら数字がたくさん書かれている。 見積書であるらしい。 ---------------------------------- 材木 × 200 1000ドル 文房具 300ドル...
エピソード17 『全ての子供に教育を』
エピソード17 くたびれ果てているというのに、早朝の4時半には目が覚める。 ニワトリがそこらでケーケー鳴きはじめたからだ。 それにつられて、奥さんも起きたらしい。こんなに早く起きるのだ。 俺は、もっと眠っていたかった。 リュックからMP3プレーヤーを取り出して、耳栓がわりに...
bottom of page
