top of page
エピソード23 『名もなき町で』
エピソード23 そして7月末には、 伊座利集落全土をあげて、漁村留学が開催された。 田舎移住を検討している都会人のための、体験イベントだよ。 村人よりも多い数の参加者が集まって、地元のテレビクルーも来てたりする。 川原でシュノーケル遊びをしたり、...
エピソード29 『名もなき町で』
エピソード29 …ちなみに、 どうして僕が4時間しか歩けないフヌケか、話しておこうかな? 僕、足に障害があるんだよ。 障害なんていうと大げさなのかもしんないけど、 右足の付け根の関節が、ちょっとヘンなんだ。 子供の頃から、...
エピソード28 『名もなき町で』
エピソード28 僕は、店造りから急転直下、大急ぎで出ていく準備をはじめた。 オーラソーマをここに置いていきたくはないので、 ようこママに寄贈することにした。デジタル一眼レフと一緒に。 ようこママならきっと、有効活用してくれるだろうさ。...
エピソード24 『名もなき町で』
エピソード24 何もない日にブラブラ散歩してみても、面白いよ。 子供たちは、道ばたで楽しそうに遊んでる。トルコの田舎町みたいに。 彼らにはDSなんて必要なくて、カヌーだって本当は必要ない。 集落を縦断している川原は、夏の子供たちには天国で、...
エピソード27 『全ての子供に教育を』
エピソード27 俺は、その日のうちにもう、ロレン村をあとにした。 プーマが、ナンの町まで送ってくれた。 そこからバスに乗って、チェンマイに戻る。 もちろん、 利典さんに挨拶するためだ。そして、一部始終を話した。 彼は、「他の村を案内していれば良かったかな?」と申し訳なさそう...
『全ての子供に教育を』 『全ての子供に教育を』
エピソード21 翌朝起きると、 プーマが俺に、紙切れを差し出した。 汚い文字で、なにやら数字がたくさん書かれている。 見積書であるらしい。 ---------------------------------- 材木 × 200 1000ドル 文房具 300ドル...
エピソード17 『全ての子供に教育を』
エピソード17 くたびれ果てているというのに、早朝の4時半には目が覚める。 ニワトリがそこらでケーケー鳴きはじめたからだ。 それにつられて、奥さんも起きたらしい。こんなに早く起きるのだ。 俺は、もっと眠っていたかった。 リュックからMP3プレーヤーを取り出して、耳栓がわりに...
エピソード4 『全ての子供に教育を』
エピソード4 翌日は土曜日だった。休日だ。 この霊聴が、実際はノイローゼによる幻聴であるとすれば、 充分な休息が取れる。 俺の人生に新風を吹かす、霊聴とやらなのであれば、 充分な会話時間が取れる。 どの道、有意義だ。 とは言えヤツは…ハックは、...
エピソード1 『全ての子供に教育を』
プロローグ 「ねぇ、なんで勉強なんかさせるの?」 「そりゃお前、幸せにしてやりたいからだよ。」 「勉強なんかしなくても、俺、幸せ感じられるぜ?」 「お前の知らない幸せが、大人になったら解る。」 「国語なんか勉強しなくても、俺、まっとうに喋れるぜ?」...
エピソード18 『全ての子供に教育を』
エピソード18 朝食を終えると、俺は家の外に出た。 日中でもやはり、静かな村だった。 何人かの村人が、見慣れない客人の存在に気づく。 しかしやはり、遠巻きに眺めているだけだった。 話しかけてきたりはしないが、怒っている気配もない。 村人は、極めて質素な格好をしている。...
エピソード25 『全ての子供に教育を』
エピソード25 しかし、 俺の恍惚は、24時間と続かなかった… 翌朝9時、学校に行って、愕然とした。 誰も、登校していないのだ。 いったい何が起きているのか、 俺にはさっぱり、理解ができなかった。 とにかく、目の前の広く新しい教室には、誰一人、居ないのだ。...
エピソード5 『全ての子供に教育を』
エピソード5 …なぜこうもやすやすと、引き下がったか? 親父に交渉したって無駄であることを、俺が一番、よく知っている。 反論したって拳が飛んでくるだけだ。 いや、拳は別に怖くない。 けど、どの道、俺の意思は通りっこない。 しょうがないんだ。...
エピソード26 『全ての子供に教育を』
エピソード26 デジャブの正体がわかった。 そうだ、俺、子供の頃、 今のプーマと全く同じ質問を、親父にぶつけたことがある。 そしてそのシーンを、繰り返し、夢で見せられ続けてきたんだ。 …馬鹿だった。 俺は、憎んでいた親父と同じことを喋っていたんだ。...
エピソード19 『全ての子供に教育を』
エピソード19 利典さんを見送り終えると、 プーマは、改めて俺に握手を求め、名前を尋ねてきた。 「タカシ」と名乗ったが、どうもそれは発音し辛いらしい。 よって、俺のあだ名は「タクシー」になった。まぁ、何でもいい。 「それでタクシー、キミは何しに来たの?マスメディア?」...
エピソード16 『全ての子供に教育を』
エピソード16 20分程度、眠ったらしかった。 利典さんが、優しく俺を起こす。 目の前に、夕食が用意されている。 野菜のスープと、ペチャンコのパン。 そして、ふかし芋のようなのが大量に転がっている。 非常に簡素な食事だ。...
『全ての子供に教育を』まえがき
まえがき この物語は、「国民皆教育」の是非を、主題としています。 また、少数民族の生活に興味をお持ちの方にとっても、 面白い資料になるかもしれません。 対象読者は、社会派な男女を想定しています。
エピソード7 『全ての子供に教育を』
エピソード7 チェンマイ行きの航空券を買ったのは、本当さ。 俺が行きたいのは北部の村なんだから、それで問題無い。 しかし、 1週間というのは、嘘だ。 期日は… 決めてない。 帰りの飛行機は、取ってない。 当然だ。 村に学校建てるなんて、何ヶ月掛かるかわかったもんじゃない。...
エピソード10 『全ての子供に教育を』
エピソード10 やはり躊躇なく、インターホンを押す。ドアは開いている。 予想外にも、返事は家中ではなく外から聞こえてきた。 よく見ていなくて気づかなかったが、 庭のガレージ屋根の下で、男性が俺に微笑みかけている。 庭のガレージ下なんかに、デスクを置き、パソコンを置き、仕事を...
エピローグ 『全ての子供に教育を』
エピローグ 結局俺は、 日本には戻らなかった。…少なくとも今はまだ、戻っていない。 チェンマイも俺には騒がしすぎるので、場所を変えることにした。 チェンライという町に来ている。名前がよく似ていて、紛らわしいが。 韓国人オーナーの経営する、韓国人旅行者ばかりの安宿で、...
エピソード12 『全ての子供に教育を』
エピソード12 ナンから30分も走ると、景色は山がちになった。 道も満足に舗装されていない。 幌付きの乗り合いトラックは、 思いのほかたくましく、砂利道を駆け抜けていく。 俺は時々、助手席を離れ、後ろの荷台に乗った。 本来、客たちはここに乗り込むのだ。...
bottom of page
