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エピソード4 『全ての子供に教育を』
エピソード4 翌日は土曜日だった。休日だ。 この霊聴が、実際はノイローゼによる幻聴であるとすれば、 充分な休息が取れる。 俺の人生に新風を吹かす、霊聴とやらなのであれば、 充分な会話時間が取れる。 どの道、有意義だ。 とは言えヤツは…ハックは、...
エピソード1 『全ての子供に教育を』
プロローグ 「ねぇ、なんで勉強なんかさせるの?」 「そりゃお前、幸せにしてやりたいからだよ。」 「勉強なんかしなくても、俺、幸せ感じられるぜ?」 「お前の知らない幸せが、大人になったら解る。」 「国語なんか勉強しなくても、俺、まっとうに喋れるぜ?」...
エピソード18 『全ての子供に教育を』
エピソード18 朝食を終えると、俺は家の外に出た。 日中でもやはり、静かな村だった。 何人かの村人が、見慣れない客人の存在に気づく。 しかしやはり、遠巻きに眺めているだけだった。 話しかけてきたりはしないが、怒っている気配もない。 村人は、極めて質素な格好をしている。...
エピソード25 『全ての子供に教育を』
エピソード25 しかし、 俺の恍惚は、24時間と続かなかった… 翌朝9時、学校に行って、愕然とした。 誰も、登校していないのだ。 いったい何が起きているのか、 俺にはさっぱり、理解ができなかった。 とにかく、目の前の広く新しい教室には、誰一人、居ないのだ。...
エピソード5 『全ての子供に教育を』
エピソード5 …なぜこうもやすやすと、引き下がったか? 親父に交渉したって無駄であることを、俺が一番、よく知っている。 反論したって拳が飛んでくるだけだ。 いや、拳は別に怖くない。 けど、どの道、俺の意思は通りっこない。 しょうがないんだ。...
エピソード26 『全ての子供に教育を』
エピソード26 デジャブの正体がわかった。 そうだ、俺、子供の頃、 今のプーマと全く同じ質問を、親父にぶつけたことがある。 そしてそのシーンを、繰り返し、夢で見せられ続けてきたんだ。 …馬鹿だった。 俺は、憎んでいた親父と同じことを喋っていたんだ。...
エピソード19 『全ての子供に教育を』
エピソード19 利典さんを見送り終えると、 プーマは、改めて俺に握手を求め、名前を尋ねてきた。 「タカシ」と名乗ったが、どうもそれは発音し辛いらしい。 よって、俺のあだ名は「タクシー」になった。まぁ、何でもいい。 「それでタクシー、キミは何しに来たの?マスメディア?」...
エピソード16 『全ての子供に教育を』
エピソード16 20分程度、眠ったらしかった。 利典さんが、優しく俺を起こす。 目の前に、夕食が用意されている。 野菜のスープと、ペチャンコのパン。 そして、ふかし芋のようなのが大量に転がっている。 非常に簡素な食事だ。...
『全ての子供に教育を』まえがき
まえがき この物語は、「国民皆教育」の是非を、主題としています。 また、少数民族の生活に興味をお持ちの方にとっても、 面白い資料になるかもしれません。 対象読者は、社会派な男女を想定しています。
エピソード7 『全ての子供に教育を』
エピソード7 チェンマイ行きの航空券を買ったのは、本当さ。 俺が行きたいのは北部の村なんだから、それで問題無い。 しかし、 1週間というのは、嘘だ。 期日は… 決めてない。 帰りの飛行機は、取ってない。 当然だ。 村に学校建てるなんて、何ヶ月掛かるかわかったもんじゃない。...
エピソード10 『全ての子供に教育を』
エピソード10 やはり躊躇なく、インターホンを押す。ドアは開いている。 予想外にも、返事は家中ではなく外から聞こえてきた。 よく見ていなくて気づかなかったが、 庭のガレージ屋根の下で、男性が俺に微笑みかけている。 庭のガレージ下なんかに、デスクを置き、パソコンを置き、仕事を...
エピローグ 『全ての子供に教育を』
エピローグ 結局俺は、 日本には戻らなかった。…少なくとも今はまだ、戻っていない。 チェンマイも俺には騒がしすぎるので、場所を変えることにした。 チェンライという町に来ている。名前がよく似ていて、紛らわしいが。 韓国人オーナーの経営する、韓国人旅行者ばかりの安宿で、...
エピソード12 『全ての子供に教育を』
エピソード12 ナンから30分も走ると、景色は山がちになった。 道も満足に舗装されていない。 幌付きの乗り合いトラックは、 思いのほかたくましく、砂利道を駆け抜けていく。 俺は時々、助手席を離れ、後ろの荷台に乗った。 本来、客たちはここに乗り込むのだ。...
エピソード22 『全ての子供に教育を』
エピソード22 翌日には、早速作業が開始された。 材木はどこから購入してくるのかと思ったが、 何のことはない。集落そばの森林を伐採するのだった。 作業には、集落の男性が数多く参加した。というか、外部の人間は誰もいない。 つまり、プーマは、...
エピソード14 『全ての子供に教育を』
エピソード14 うなだれている俺を、利典さんが見つけ出し、 再び出発することになった。 「大丈夫?かなりくたびれてるみたいだね。 ここからはだいたい下り道だから、そんなにキツくないと思うよ。」 いくぶん、安心した。 回復したはずの体力は、30分と持たなかった。...
エピソード8 『全ての子供に教育を』
エピソード8 親父に嘘をついた日から丸1ヶ月後、 俺は、日本を発った。 飛行機なんてずいぶん久しぶりだ。18の修学旅行以来か。 飛行機の中では、色んなことを考えた。 「このまま、日本に帰らないっていうのはどうだろう?」 それも悪くない気がする。...
エピソード3 『全ての子供に教育を』
エピソード3 「…で、 『奉仕的に生きたい』ってのはホンキなわけ?」 ハックは尋ねる。 「あぁ。」 俺は、ぶっきらぼうに答える。 返答内容をYESかNOかに絞れば、余計な暴言を吐かなくて済むだろう。 いつもは新宿駅から中央線に乗るが、...
エピソード6 『全ての子供に教育を』
エピソード6 俺は、親父に嘘をつくことにした。 といっても、派手な嘘をついても、親父はすぐに見抜く。 現実的な範囲で、嘘をつくしかない。 「父さん。 俺、ちょっとタイ旅行してくるわ。」 「なんだ。やっぱり再就職を取りやめるつもりなのか?」 「違うよ。...
エピソード2 『全ての子供に教育を』
エピソード2 「ホンキ?高志、人の役に立ちたいの?」 !?…幻聴か? 仕事の引き継ぎを全うさせるために、連日残業だからな。 そろそろまたノイローゼになったって、おかしくない。 「幻聴じゃないよ。霊聴だよ。」 「!? 誰だ?喋ってんのは!?」...
エピソード11 『全ての子供に教育を』
エピソード11 結局、そのプライベート・ツアーとやらを組んでもらうことにした。 一般的なトレッキング・ツアーは、2泊3日で2,000バーツ(7,500円くらい)程度だけど、 俺のプライベート・ツアーは、1日(往路のみ)で1万バーツ(2万5千円くらい)だ。...
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