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50 ブロロロロン…
50 ブロロロロン… 私は、ついでに、 おばぁに質問事をした。 「お昼ご飯を食べられる場所って、島にもありますか? 商店でパンでも買うしか、ありませんか?」 「何さね?おじょうちゃん、 船着場で地図、もらってこんかったんか?」 おばぁはそう言うと、...
25 束の間の休息
25 束の間の休息 「B」のドアを越えた後は、しばらくラクなモンだった♪ ベルトコンベアー状の長い廊下を、延々と歩いた。 …道の途中には、なぜか、トイレが幾つもあった。 一体、そんなに需要があるものなんだろうか? 「ベルコンベアーに乗ると尿意を催す」...
14 「おいで♪」
14 「おいで♪」 私はしばらく、薄水色の空を眺めていた。 次第に、 そのキラキラは、当たり前に感じるようになっていた。 私は、 1つ大きく背伸びをして、部屋に向き直ろうとした。 その瞬間だった…! 「おいで♪」 そう、聞こえたような気がした。 …聞こえた…?...
5 お金をもらいながら勉強する、幸せ者
5 お金をもらいながら勉強する、幸せ者 私の生活は、すっかり雑貨屋中心になってしまった(笑) 授業中もしょっちゅう、ポップのデザインを考えていた。 飾り文字の描き方や、カードをふち取る装飾的なラインなどを、 色んな日常品をマネっこしながら、研究した。...
1 どっち付かずな平均値
1 どっち付かずな平均値 プロローグの冒頭文の、繰り返しになっちゃうけれど… 当時、私は、 高校1年生になったばかりだった。 私の高校は、 千葉県の市川市の、田舎のほうにある公立校だった。 …市川市自体は、 駅の付近ならけっこう栄えているのだけれど、...
28 ピンコーン!
28 ピンコーン! …私の苦難は、更に更に更に、尚のこと、続いた… まぁ、生死に関連するようなものでは、なかったのだけれども。 飛行機が離陸すると、 みんな、ヘッドホンをして、音楽を聞いているようだった。 隣の男の人も、手馴れた手つきでセッティングを済ませていた。...
16 天使からのナゾナゾ
16 天使からのナゾナゾ 私は、 こんなにたくさん親にウソをついたのは、初めてだった! そして、最後でも、あった。 なにしろ、 私は頭の回転がニブいので、 「自分には、ウソを付くことなど出来ない」と思っていた。 だから、 端から、ウソを付くという行為自体を、あきらめていた。...
48 器の大きい人たち
48 器の大きい人たち 私は、ほとぼりが冷めると、 ぼちぼち宿に戻ることにした。 岩場を延々と、飛び石歩きし、 ヘンなモノを見つけては、立ち止まり、 飽きたらまた、歩き出した。 宿に戻った頃には、8時を回っていた。 宿のおばぁは、...
47 「Welcome♪」
47 「Welcome♪」 私は、自分が腰掛けていた岩のすみっこに、 マジックでラクガキが施されているのを、見つけた。 ラクガキがあるということは、 この僻地への先駆者は、他にいるのだ… …しかも、 この超自然的な絶景を、マジックペンで穢(けが)すなんて、...
8 一般常識
8 一般常識 人は、何かが気になり出すと、 それに関連する情報ばかりが、目に付くようになるものだろう。 私は、天使というものと同時に、 沖縄が気になって仕方なくなった。 ゴールデンウィークの初頭、 家でテレビを見ていると、 ニューカレドニアという島について、特集していた。...
39 切なさ
39 切なさ 私は、 道行く人に尋ねながら、離島桟橋とやらを目指した。 20分ほど掛かってしまったけれど、 無事、そこに到着出来た。 竹富島行きのフェリーは、 2つの会社から出ているようだった。 無知な私は、比較材料を持たないので、 単純に、先に出港できるほうを選んだ。...
15 「昔の私」 VS 「今の私」
15 「昔の私」 VS 「今の私」 …私は、しばらく、考え込んでいた。 声の主は誰?声は幻覚? 「おいで」って、どこへ?? 5分考えても、10分考えても、 答えは、1つしか思い当たらなかった。 …沖縄だ!! 私は、あわてて荷造りを始めた!...
33 シンクロ
33 シンクロ …まだまだ色々、 話したいことや聞きたいことがあったのに、 無情にも、 飛行機は、石垣空港に到着してしまった! すでに、他の乗客たちは、 荷物を棚から下ろし、搭乗口から降りだしていた。 私は、 彼の話を、…これまでに無いってくらいに… 熱心に聴いていた。...
32 「冒険」ってのはさぁ
32 「冒険」ってのはさぁ 「…へぇー! ずいぶんと、大冒険だったんだねぇ♪ 僕、そういうの、大好きだよ♪」 「え!?」 私は、ドキっとしてしまった!! 「『自分の限界にチャレンジする』ってこともそうだし、 『過保護に育った女の子が、一人で冒険に出る』ってのも、そうだし…...
24 聞かぬは一生の恥・その2
24 聞かぬは一生の恥・その2 私が金属探知機を無事に通り抜けるのを、 ベルトコンベアー担当の若いお兄さんが、待ち構えていた。 手には、私の化粧水のビンを、持っている! 「…お客様、まことに申し訳ございませんが、 こちらの化粧ビンは大き過ぎまして、...
4 意外な業務
4 意外な業務 お店の商品は、アジアン雑貨がやや多かった。 カントリー系や北欧系も、少々あった。 アメカジ的なものは、ほとんど無かった。 トモコさんは、初日に、こう言った。 「私、美的センスがナイから、ディスプレイがニガテなのよねー。 ゆっこちゃん、...
40 お金じゃ買えない幸せ
40 お金じゃ買えない幸せ 竹富島に上陸して、 最初に私を出迎えてくれたもの… …それは、 たくさんの「ネコ」だった! 船着場の辺りには、 ノラネコなのだろうか、 ちょっと野生的な目つきをした線の細いネコが、 10匹以上も、ウロウロしていた。 彼らは、...
22 魔法のコトバ
22 魔法のコトバ 私がボーゼンと歩いていると、 ふと、目の前を、 緑のリュックを背負った背の高い男の人が、横切った。 イヤホンをしているらしく、大きな声で、 何か聞いたこともないポップスを、口ずさんでいた。 「だいじょぉぉーぶぅ、だいじょぉぉーぶぅ、...
20 空港初体験・その3
20 空港初体験・その3 受付か…機械か…受付か…機械か… 失敗を防げるのは、明らかに、人の手による購入だった。 …けれども、 私は、あまりに立て続けに恥をかき過ぎたので、 今また有人カウンターに立つ勇気が、出なかった…。 そして私は、...
42 マツタケ
42 マツタケ 私は、再び、郵便局を見つけた。 その前を通り過ぎ、さらに歩いた。 集落の入り口付近に、舞い戻ってきた気もする。 …でも、今歩いている道は、 多分、さっきは通っていない。 そのままのんびり歩いていると、 …見つけた! 「松茸荘」...
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