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エピソード1 『イエスの子らよ』
プロローグ 修道院って知ってる? 私も知らなかったわ。実際に行ってみるまでは。 教会みたいなところよ。 教会は、日曜日にだけ行くでしょう? でも、修道院は毎日行くところなの。 毎日行くっていうか、毎日、そこで暮らすのよ。 エピソード1 「パッカラパッカラパッカラパッカラ…」...
エピソード7 『イエスの子らよ』
部屋にもどって、シスターが帰っていくと、 「ウフフフ。」声がしたわ。 「エルサ、起きてたの?」 「起きちゃったわ。あなたが出ていく物音でね。」 「私がバカだから、笑ってたの?」 「ウフフフ。だいたいみんな、同じことやるわ。」 「そうよね!?」私、安心しちゃった。...
エピソード24 『イエスの子らよ』
それから5年が経って、 私は成人棟に移ることになったわ。エルサともお別れ。 エルサも翌年、成人棟にやってくると思ってたら、 あの子、そこで退院してしまったの。 エルサ、高学院に進んで勉強に励むんですって。 親友を失うのは寂しかったけど、でも大丈夫。...
『エピソード12 イエスの子らよ』
舞いくるう粉ボコリがおさまって、声の主が見えてきたわ。 なんと、ヨボヨボのお婆さん! 「ごめんなさい! 粉袋、おばあ様の頭の上に落ちてしまったのね!?」私は謝った。 「ほっほっほ!髪はもとから真っ白じゃわ。もう80じゃからの。」...
エピソード2 『イエスの子らよ』
「マリアンヌ!起きなさい! 起きなさい!マリアンヌ!起きなさいったら!」 お母様のどなり声で、私は目を覚ましたわ。 「もう!眠ってはダメとあれほど言ったのに! 約束違反をするのは、これが最後ですからね! これからはもう、てっていてきに素直な良い子で過ごすんですよ!...
エピソード9 『イエスの子らよ』
10時を過ぎたころかしら。 エルサが、大きく伸びをして言ったわ。 「ふわーあ。アタシ、お裁縫あきちゃった。 ねぇ、気分転換しに行かない?」 「そういうのって、アリなの? 背の高いシスターに怒られるわよ?」 「大丈夫なのよ。とにかく何か、お仕事してればいいの。...
エピソード14 『イエスの子らよ』
私はときどき、 シスター・サラの姿を探したわ。 どうしても気になっちゃうの。チョコレート色の髪の彼女のこと。 でも、どこにもいないの。 ご飯を食べたと思ったら、すぐどこかに消えちゃうのよ。 彼女も人と群れるのがキライなのかしら。 それと、もう1つ人探しをするわ。...
エピソード21 『イエスの子らよ』
エピソード21 修道士さんを助けた翌日のことよ。 その日は、廊下の窓拭きをしながら、3人でしゃべっていたわ。 「ほっほほ! おぬし、ケガした修道士を担ぎあげたんじゃってな!」 「怒られちゃったの。悲しいわ。人助けをしたのに。」 「複雑よのう。ルールじゃからの。」...
エピソード19 『イエスの子らよ』
「恋愛ねぇ…」 今日は穀物倉庫で、 おばあ様に聞こえるように、ほおづえついてつぶやいた。 「ほっほっほ。 マリアンヌも、恋に恋するお年頃かえ?」 「恋ってものに興味があったわ。この修道院に来るまでは。 でも、エルサやサラの話を聞いてると、...
エピソード18 『イエスの子らよ』
エピソード18 …そういうことなの。 サラはやがて、ぱったりと姿を消してしまったわ。 いや、ちゃんと修道院の人々にはあいさつをしていったらしいけどね。 私とエルサは、さみしかったわ。 せっかくできたお友達だったんですもの。 引き止める方法とかも、いろいろ考えたけれどね、...
エピソード15 『イエスの子らよ』
「わかりません。」シスター・サラは言った。 「わからんとな!?」おばあ様は、ひっくり返った声で聞き返した。 「私は、イエス・キリストから1500年も隔たれた時代を、生きています。 ですから、確証の持てることは何も、ありません。」 「たしかに、それはそうじゃが…」...
エピソード3 『イエスの子らよ』
今度は、見張りの神父さまが私に言ったわ。若いわね、ここの神父さま。 「長旅ごくろうさま。 疲れているとは思うが、まずは礼拝堂でお祈りをしなさい。 それが済んだら、温かいオムレツを出してあげよう。」 「お母様よりは、優しい人ね。」私はクスっと笑って言った。...
『イエスの子らよ』まえがき
まえがき 時は中世、場所はフランス。 修道院で女をみがく、10才の少女マリアンヌをめぐる、 それはそれは、数奇なお話… 対象年齢は、中学生以上の女性を想定しています。
エピソード23 『イエスの子らよ』
どうしたらいいのかしら?私。 恋の仕方ってわからないのよ。だいいち、まだ11才よ? でも私、動いてみたわ。 誰もいない時間をこっそり見計らって、 教会の扉を開けてみたの。修道士さんて、あそこにいるんでしょ。 でも… 「あれ!?」...
エピソード20 『イエスの子らよ』
数日後のある日のこと。 「あらあなたたち、 小麦袋が届くから、礼拝堂まで取りにいってちょうだい?」 最近しょっちゅう穀物倉庫に行ってるから、 すっかり私たち、小麦当番だと思われてるわ! 言われたとおり、エルサと二人で教会に行ったけど、...
エピソード8 『イエスの子らよ』
エピソード8 朝は6時に起床なの。 シスターか誰かが、部屋のドアをコンコンたたくのよ。 私はそれじゃ起きれなかったけど、 エルサが起きて、私のことも起こしてくれたわ。 7時に食堂に行くと、 昨日とは打って変わって、人が大勢いたわ。...
52 無数の枝分かれ
52 無数の枝分かれ やったぁ♪ 正解だった!! 西桟橋には、 人っ子一人、居なかった♪ 「ビーチ」として、広い場所ではなかったけれど、 桟橋の右側には、 波とたわむれて没頭するのに充分なスペースが、しつらえられていた! 私は、 クツと靴下を脱ぎ捨てて、...
26 神隠し
26 神隠し …お手洗いから出てきて、 私は、仰天した! 人っ子一人、いないのだ…!! ついさっきまでベンチを埋め尽くしていた、 100人以上もの日本人が、こつ然と、姿を消してしまった…!! 今日は朝から、 神秘現象なんぞもたくさん垣間見てきたけれど、 ついに、...
34 ヴァーチャル・デート
34 ヴァーチャル・デート バスは、20分ほども郊外を走ると、 終点の、石垣市中心街に到着した。 バスの中でも、ずっと話に夢中だったので、 私は、せっかく訪れた石垣島の景色を、ほとんど見過ごした(笑) サトウキビ畑がそこかしこに広がっていたことだけは、...
45 プロセス
45 プロセス 私は、本当に、 夜明けまで、そこに居た。 ただただ、1人で、ぼーっとたたずんでいた。 …空が白み始めた頃、 私もサスガに、このシチュエイションに飽きてきていたので、 朝陽でも拝みに行こうと、思った。 私は空をじーっと眺め、...
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