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エピソード7 『「おとぎの国」の歩き方』
ヘビのように尻尾をくねらせて、列車は行っちゃった。 はぁあ。 僕は病人みたいに青ざめて、肩を落として棒立ちさ。 まぁいいさ、急ぎの旅じゃないさ。 気を取り直して、町に戻ろうと歩き出すと、 僕の背中から、ガッタンガッタン音がする。...
『「おとぎの国」の歩き方』
村に分け入っていくと、 住人とおぼしき人を見つけた。水まきしている。 それが、なんと、金髪!?しかも若い。30歳手前じゃないかな。 「ほれ、自分であいさつせい。英語が通じる。」 「ここここ、こんにちわ!」 「ハーイ。本当に来たね♪ウワサは聞いていたけども。」...
エピソード26 『「おとぎの国」の歩き方』
エピソード26 爺さんは、宗教の話を続ける。 「どの聖典にも、『目くらまし』と『真典』とがある。 仏教でいうなら、現代仏教はどれも『目くらまし』にすぎない。 『真典』に該当するのは、 ゴータマ仏陀の言葉とその足跡、それのみじゃ。...
エピソード3 『「おとぎの国」の歩き方』
荷物を置いて一息ついたなら、散歩にくり出してみる。 目的地なんかいらないよ。地図もいらない。 宿の玄関を出ると、そこは細い路地だけど、 こうした細い路地には、観光地といえども、まだ生活の匂いが残ってる。 薄汚れた壁にはロープが張られ、洗濯物が干してある。...
『「おとぎの国」の歩き方』まえがき
まえがき このお話は、 インドとブータンを舞台にした、ちょっとした冒険小説だよ。 タイトルからお察しかとは思うけど、 「おとぎの国」に行くための、ガイドブックさ。 対象読者は、まぁ高校生くらいならじゅうぶん読めるんじゃない? 男性向けだけど、別に女性が読んだってかまわない。...
エピソード24 『「おとぎの国」の歩き方』
3日目。朝からシトシトと雨が降ってる。 「舗装されていない山道を、雨の中行くのは危険だ。」 という爺さんの判断で、今日は休息日になった。 体がクタクタだったから、ちょうどよかったよ。 たまには休まないと、さすがにくたばる。 「たんぱく質を摂ったほうがいいな。」...
エピソード20 『「おとぎの国」の歩き方』
エピソード20 僕は、肝心なことを思い出した。 「あのさ?お爺さん。 何か、食べるもの頂けないかな?お金なら払うから。」 「心境お察しはするが、食べないほうが良いな。」 「え?急にイジワル言うの?」 「意地悪ではない。 カメレオンに向かうのであろう?...
エピローグ 『「おとぎの国」の歩き方』
昔、ある国の心理学者が、 老いぼれ爺さん婆さんに、統計調査をしたらしいよ。 「アンタは死ぬのが怖いか?」ってね。 すると、すごくシンプルな結果が出たんだ。 旅をしたことのあるアクティブな老人は、「怖くない」って答えるけど、...
エピソード1 『「おとぎの国」の歩き方』
プロローグ 「おとぎの国行き」の列車なんていうのは、存在しないんだよ。 日本にナイのは当然として、スリランカにもチョモランマにも、ありはしないんだ。 「おとぎの国」っていうやつは、 日本とアメリカの次くらいに有名な名前のクセして、誰もたどりつけやしない。...
エピソード25 『「おとぎの国」の歩き方』
エピソード25 4日目。今日あたり、着かないかな? アジナ村を出てから、舗装道と野道を交互に歩いてきたけど、 もっぱら野道ばっかりになってきた。人里からはかなり離れたはずさ。 緑の色はとても深くて、サビ付いたような色をしてる。...
エピソード2 『「おとぎの国」の歩き方』
とりあえず、タイムスリーって宿を探し当てる。 ガイドブックには「老舗だから安心」とか書いてある。まぁ、悪くはないよ、実際ね。 …悪くないのは、スタッフの態度のことだよ?部屋はヒドい(笑) ざっくり言えば、廃墟みたいだよ(笑) 家具は、...
エピソード16 『イエスの子らよ』
緊迫した空気を打ち破ったのは、エルサだったわ。 「ちょっと?シスター・サラ? どうでもいいけどあなた、 読書なんかしてないで、ホコリはたき手伝いなさいよ! 今はお仕事する時間なんですからね!読書は夕食後よ!」 「ぷっ! あはははははは!!」...
エピソード17 『イエスの子らよ』
エピソード17 ある日の午後、 3人で、鐘楼のからくり部屋に行ったわ。 何かおしゃべりしたいことがあるとき、エルサはここに行きたがるのよ。 一番人目につきにくいからね。 案の定だったわ。 たむろしてるハトをからかいながら、エルサは話し始めた。 「ねぇサラ?...
エピソード5 『イエスの子らよ』
渡された服は、紺色ばっかりの服だったわ。エルサとおそろい。 修道院っていうのは、みんな同じ服を着るのよ。 私にはちょっとブカブカだったけど、まぁいいわ。小さいよりマシ。 修道院では細かいことでモンク言っちゃダメって、お母様が言ってた。...
エピソード22 『イエスの子らよ』
粉袋を運びにいくと、おばあ様とエルサがいたわ。 「どうしよう…。これ?」 私は、エルサとおばあ様に、もらったハンカチを見せた。 「あはははは! おばあ様の言ったとおりになったわね!」エルサがいたずらっぽく笑う。 「どういうこと?」...
エピソード4 『イエスの子らよ』
教会から、階段を2つ下りて廊下を2つ曲がったところに、 同じような部屋がいくつも並んでいたわ。これが寄宿舎ね。 おばさまは、私を一番奥の部屋に通してくれた。 トントン。 「エルサ?いるかしら?」 「はい。ただいま。」 戸を開けてくれたのは、小さな女の子だったわ。...
エピソード11 『イエスの子らよ』
午後は、工芸室に行ってみようってことになったの。 さっきエルサが座面を張り替えたイスだけど、 あれ、修道女が手作りしてるんですって! ゴシック調の彫刻がほどこされた、立派なイスなのよ?それも手作りされてる。 で、工芸室に向かって歩いてたんだけど、...
エピソード6 『イエスの子らよ』
でも私、眠くならなかったわ。 お昼寝いっぱいしちゃったんだもの。馬車の中で。 つまんないから本は閉じて、 それでも眠ろうと、努力はしたのよ。 100まで数えたら眠れるときもあるから、それもやってみたの。 でも眠れなかったわ。 200まで数えてみたけど、それでもダメだった。...
エピソード13 『イエスの子らよ』
修道院の暮らしっていうものが、大体つかめてきたわ。 マナーにはとてもうるさいけれど、あんがい自由なの。 やることはいっぱいあるけど、何するかはだいたい、自分で決められる。 成人棟の人たちは、もうちょっと制約があるんでしょうけど、 幼年棟の私たちは、かなり自由なの。...
エピソード10 『イエスの子らよ』
ランチは12時にはじまる。 毎日毎日、規則正しく12時にはじまるわ。 それはいいとして、 メニューまで、毎日毎日同じなわけ!? 私は、テーブルに並んだお皿を見て、げんなり。 「またオムレツなの?牛フィレのステーキは出てこないの?」 「あらあなた、知らないの?...
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