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エピソード2 『星空のハンモック』
エピソード2 私はスニーカーなので、波打ち際までは行けない。 それを察して、麗子さんは私の都合に合わせて浜の内側を歩く。 「病院か。たしかに元気になりましたね、リナちゃん。」 「いいえ、気分だけの問題じゃないのよ? タラソテラピーというのを、やっているの。」...
エピソード18 『星空のハンモック』
エピソード18 ハルコさんの話を聞いていて、私は思い出したことがある。 サッカー教室も習字教室も絵画教室も、 たいてい、町内に2つずつあるでしょう? 1つはすっごいスパルタで、コンクール入賞者とかいっぱい輩出してて。 もう1つはすっごいゆるくて。...
エピソード6 『星空のハンモック』
エピソード6 「ねぇカツミくん、一緒に海に行こうよ?」 誘ったのは私じゃない。またしてもリナちゃんだ。 あんな可愛い天使にデートに誘われて、断る男などいるはずがない。 …と思いきや、カツミくんは予想外の返事をする、 「ごめんよぉリナちゃん。...
エピソード5 『星空のハンモック』
エピソード5 数日のあと、 ついにこの静かなプチ・ペンションにも、新たなお客さんがやってくる。 夜もどっぷりと暮れていて、 リクくんもリナちゃんも眠った後だった。 ピンポーン、ピンポーン。 「誰かしら?こんな遅くに珍しい。」...
エピソード7 『星空のハンモック』
エピソード7 リナちゃんに申し訳ないなと思いながらも、私はカツミくんと並んで歩いた。 沈黙は気まずい。何か話さなきゃ。 「カツミくんは、何才ですか?」 「僕?23才。」 「やっぱり!私よりちょっと上だろうなって、思ったんです。私21です。」 「21か。若いね。」...
エピソード15 『星空のハンモック』
エピソード15 本島に戻ると、 私はすぐに、麗子さんに連絡を入れた。 なにしろ麗子さんは、私がどこに行ったかも知らないままで、自転車も借りたまま。 幸いにも、あまり心配はしていなかったし、 きっとカツミくんといちゃいちゃしているのだろうと、ある程度のことを察していたらしい。...
エピソード14 『星空のハンモック』
エピソード14 愛子さんみたいに、リナちゃんみたいに、素直で積極的だったなら、 こんなに苦しい思いをしなくて(させなくて)済んだだろうに… 内気な私が意中のひとと重なり合うためには、 こんなにたくさんの偶然と口実が、必要になってしまう。...
エピソード16 『星空のハンモック』
エピソード16 麗子さんやリナちゃんがいなくても、私一人で百名のビーチに出ることがある。 それはライター仕事の良い気分転換になるし、 ときにはビーチで、潮風に吹かれながらパソコンを打つこともある。 そうして1つ、気づいたことがある。...
エピソード20 『星空のハンモック』
エピソード20 その日の晩、 私は、ハルコさんにもらった絵を持って、屋上へと上がった。 そして一人、カツミくんのことを思い出しながらハンモックに寝そべる。 月とはぐれた 星の子たちは どんなメロディだったかな。思い出せない。...
エピソード8 『星空のハンモック』
エピソード8 祈りが済むと、すぐに引き返す。 「少し、海見ながら休んでいってもいい?」 「いいですよ。」 私たちは、ヤハラヅカサの石碑が見えるあたりで腰を下ろした。 カツミくんは背負っていたギターを取り出す。 またチューニングをしてポロロンとやると、...
エピソード23 『真理の森へ』
エピソード23 2ヶ月ほど経ったある日のこと。 カティは、お尻をふりふりしながら、私の部屋の戸を叩きました。 「翔子! 日本の恋人から、エアメールが届いてるわよ♪ リョウって、日本の男性の名前でしょう?」 「亮くん!?」...
エピソード18 『真理の森へ』
エピソード18 車道に戻ると、車は再び飛ばしました。 やがて、プルッキラという町に到着したようでした。 ここには、アンティの実家があるのです。 アンティの実家は、ふるい木造の家でした。 しかし、外観は優しいクリーム色で、古くても洒落ています。...
エピソード9 『真理の森へ』
エピソード9 車はやがて、ユスキュラ大学へと到着しました。 歴史を感じさせる、クラシカルな雰囲気の校舎です。 「おぉ!さっそく学校にお目にかかれるのですね!」と武者震いしたのも束の間、 「学食に寄るだけだよ♪ハハっ!」と、トゥーリは笑いました。...
エピソード14 『真理の森へ』
エピソード14 いよいよ、授業が始まりました。 ビックリです! なぜかって?教室にもトゥーリがいるのだから! 「あれ?コレも以前、メールに書いたはずだぜ? 俺も君と同じタイミングで、環境学を学びたくなったんだよ。 まぁいいんじゃない?通訳もしてあげられるしさ。ハハっ!」...
エピソード13 『真理の森へ』
エピソード13 翌日、朝の8時に、トゥーリが迎えに来てくれました。 「迎えに来るのは今日までだぞ? 明日からは自分で学校に行くんだからね♪」 トゥーリの言うとおりです!トゥーリは私の付き人ではありません。 幸い、カティたちのマンションはバス通りにあり、...
エピソード20 『真理の森へ』
エピソード20 翌日日曜日は、お家でのんびりです。 私は、月曜までにやらなければならないレポートがあったけど、 それは朝のうちに終わらせました。 「今日は何をする?」カティも暇そうだったので、 私は、カティにフィンランド料理を教えてもらうことにしました。...
エピソード16 『真理の森へ』
エピソード16 私は、憎っくきミヒャエルのことも憎まないことにしました。 それどころか、彼の意見を自分の暮らしに取り入れることにしました。 バスではなく、自転車通学することにしたのです。 私が乗らなかろうがバスの本数は減らないし、つまりエコにはならないけど、...
エピソード5 『真理の森へ』
エピソード5 まだ昼の3時。 荷物を置いて、軽く観光してみることにしました。 やはり静かです。この地区には、基本的に、店が少ない。 コンビニなんて1つもないし、スーパーもようやく1軒、見つけられた程度です。 大きな通りまで出ると、さすがに華やいでいます。...
エピソード24 『真理の森へ』
エピソード24 冬が来て、春が来て、短い貴重な夏が来ました。 フィンランドの企業は、夏休みを1ヶ月もくれるんです! 最低でも1ヶ月。有給などを組み合わせて、もっと長く取る人もいます。それが許されます。 「そんなことしたら、会社がモヌケの殻になるじゃないか!」...
エピソード8 『真理の森へ』
エピソード8 トゥーリは、私を車に乗せると、すぐに走りだしました。 彼は、車を運転しながら、私に色々と質問をしてきました。 そして同じくらい、自分のことを話しました。 彼の名はトゥーリ。31歳だそうです。 31歳というと、日本の大学ではすでに卒業してずいぶん経っていそうな年...
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