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エピソード12 『私の彼は有名人』
エピソード12 彼のためにできることは何だろう? 次に思いついたのは、プレゼント作戦だ。 プレゼント作戦と言っても、彼になにかをプレゼントするわけではない。 私の友人知人に、プレゼントするのだ。彼のCDを。 とはいえ、唐突にCDなんぞ送りつけても、...
エピソード8 『私の彼は有名人』
エピソード8 路上ライブで、彼にそれを見せると、とても喜んでくれた。 良かった… 「余計なマネするな」って怒られないか、内心ドキドキだったのだ。 怒ったりするような人ではないけれど、 だからこそ、困らせたくはない。 彼は、ギターケースの横にそのフライヤーの束を置き、...
エピソード11 『私の彼は有名人』
エピソード11 パワープレイの成果は、みるみる現れた。 次のライブでは、彼のお客が20人に増えた。倍増だ。 放送部の仲間たちも、ライブを観に来てくれた。 その後も、それぞれがバラバラに、3回に1回くらいのペースで、 一緒に観に来てくれる。...
エピソード7 『私の彼は有名人』
エピソード7 そして翌日の昼番組では、 見事、彼の音源を校内の全員に聴いてもらうことに、成功した! DJは「トモちゃんステキー」と言ってくれた先輩で、 彼女は気を利かせて、「スゴいミュージシャンを発見したの!」と、 ハデなトークでお膳立てしてくれた。 …ビックリだ。...
エピソード9 『私の彼は有名人』
エピソード9 「ホストなんかやりたくない」と言っていた彼の気持ちが、 私にも、よくわかる。 私もまた、自分のことを派手に誇張したりアピールしたりするのが、 スキではないのだ。 でも、それが他人のためとなると、感じ方が変わってくるらしい。 彼を応援し、助けるためであれば、...
エピソード4 『私の彼は有名人』
エピソード4 彼は、1~2ヶ月に1度くらいのペースで、ライブハウスに出演した。 2回行って3回行くと、わかった。 どうも、彼のお客さんは、毎回固定のメンバーで、いっこうに増えていかない… なぜだろう? 彼の音楽は、とても素晴らしいのに。 私は、昔バイオリンをやっていたので、...
エピソード1 『私の彼は有名人』
プロローグ 愛しい人を手に入れた喜びは、語りつくせないものだった。 やはり、尽くされる恋愛の比ではない。 どんなに高価なブランド品よりも、愛しい人の抱擁のほうが、ずっと魅力的だ。 私は本当に、とろけてしまう。 この恍惚を知らない女性は、本当に、かわいそうだと思う。...
エピソード21 『私の彼は有名人』
エピソード21 ゴーストでの活躍は、私にとっては少し、寂しかった。 もっと、みんなに彼を知ってほしいのだ。 それに、彼の歌声で歌われたそれを、聴いてもらいたいのだ。 いや、 私が右往左往しなくても、業界は彼を放っておかなかった。...
エピソード20 『私の彼は有名人』
エピソード20 私は、もう耐えられなかった。 何に耐えられないって? こんなに身近に居るのに、彼に触れることができない… それがもどかしくて切なくて、もう、耐えられなかった。 半ば衝動的に、私は、彼に告げた。 「付き合ってください。あなたが大好きです!」...
エピソード2 『私の彼は有名人』
エピソード2 …私のホンネとしては、 ライブのお知らせメールだけでなく、 「今日はありがとう」とか「名前はなんていうの?」とか、 プライベートなメールが送られてくることを、ひっそり期待していた。 路上ミュージシャンと友達になった女の子のウワサは、...
エピソード3 『私の彼は有名人』
エピソード3 色々と頭をひねってみたけれど、 私にはやはり、律儀にライブを観に行く以外に、彼に近づく方法が無かった。 私は、翌週もその翌週も路上ライブを観に行き、 そして、ライブハウスのライブも、観に行った。 ライブハウスなんていうのは、 私にとっては初めての経験だった。...
エピソード10 『私の彼は有名人』
エピソード10 彼と、念願のお食事デートだ! …彼にとっては単なる「打ち上げ」だが、私にとってはデートと大差ない。 私は、ミラノ風ドリアとルッコラサラダを注文した。 ミラノ風ドリアなら、割りと早く出てくる。寒かったしお腹がペコペコだったから。 彼はオーダーを終えると、...
エピソード15 『私の彼は有名人』
エピソード15 観客動員数が25人に増えても、 彼がお金持ちになったりは、しない。 動員数が増えると、小さなライブハウスでは狭すぎるので、 彼は、大きなライブハウスにブッキングせざるをえなくなる。 すると、規模の大きさに比例して、「ノルマ」も増え、...
エピソード16 『私の彼は有名人』
エピソード16 彼が音楽を愛しているのは、理解した。痛いほど。 でも、じゃぁ、人間様への愛のほうは、どうなんだろう? 彼には、恋愛感情というものは無いのだろうか? 私は、「打ち上げデート」の際に、それとなく尋ねてみた。 「恋愛感情?あるよ。もちろんあるさ。」...
エピソード18 『私の彼は有名人』
エピソード18 結局私は、釘さしというようなことは、何もしなかった。 Mちゃんとどこで何を食べたかとか、そういうのも詮索しなかった。 私の中に渦巻く嫉妬心は、ただただ自分で、押し殺した。 彼の曲を聴きながら、布団をかぶって、一人で耐えた。 いいんだ。これでいいんだよ。...
エピソード5 『私の彼は有名人』
エピソード5 私は、帰りの電車の中で、ぶつぶつと考えていた。 彼とたくさんおしゃべりするためには、ファンの数は、少ないままのほうが良い。 ファンが増えてしまえば、一人ひとりに話しかけられる時間は減るし、 もっと増えてしまえば、ファンとの交流自体が、出来なくなってしまうだろう...
エピソード19 『私の彼は有名人』
エピソード19 楽曲提供の仕事は、それなりの収入を、彼にもたらした。 楽曲の売り上げ具合から言えば、もしそれが印税計算なら、そうとうな額になったろう。 しかし、ゴーストというのは買い取り方式になるので、あまり割りはよくなかった。...
エピソード6 『私の彼は有名人』
エピソード6 私は、名案を思いついた! この名案を実行するためには、 私は、放送部に入部する必要があった。 私の大学の館内放送は、放送部の生徒たちが仕切っているのだ。 基本的には、お硬い連絡・案内しかしないが、 お昼の時間帯だけは、違う。...
エピソード17 『私の彼は有名人』
エピソード17 彼の音楽活動は、 特別賞の受賞や観客動員数の増加とともに、少しずつ、忙しくなってきた。 ライブハウスだけでなく、ショッピングモールのようなところで歌うことも増えてきた。 ラジオ番組にゲスト出演することも出てきた。曲が流れるだけじゃなく、トークもするのだ。...
エピソード14 『私の彼は有名人』
エピソード14 ラジオ番組で賞を獲った影響は、やはり、大きかった。 彼のライブのお客さんは、さらに10人ほど増えた。これでやっと、30人。 そして、私の待遇にも、さらに進展があった。 「ライブの際、スタッフをやってくれないか」という打診である。...
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