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エピソード136『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
※2025/11/18 戦いシーン加筆! エピソード136 4人「やったぁ!!」 母「通常、世界樹へは高い山を越えて渡ります。 しかし実は、ルートはそれだけではありません」 ア「やっぱりあるんだ!」 母「この海から、山を潜って抜ける洞窟があります」 ゆ「そんな隠し通路があったなんて! あ、でもすぐ近くを漁船とかが走ってますよ?どうして見つからないの?」 母「洞窟への入口は、干潮のときにしか姿を現しません」 キ「なるほど!!」 母「満潮のときには、入口は海に沈んでしまいます。 ごくわずかなタイミングでしか口を開けないため、人に見つかることはほとんどありません」 ゆ「月の満ち欠けが云々って、そういうことだったのね!」 母「次の干潮の際、あなた方を入口へご案内いたしましょう」 な「なんだぁ~、人魚さんの背中に乗って泳いで連れてってくれるのかと思った!」 母「場合によってはそういうやり方もあります。 しかしあなた方は馬車をお持ちのご様子。 馬車を同行させるには、水位が低い干潮時に入るほうがよろしいかと」 普通の人間では有り得ないルートでの世界樹


エピソード184 『天空の城』
エピソード184 竜の月の11日。 朝早くから、いつぞやのように城壁の外に大勢の人々が集まった。 輪の中心にあるのはあの気球で、その準備を学者のマゴットが指揮している。れいも気球の袋が膨らむのを見ている。 マ「改めて簡潔に説明しよう。 天空城は可能な限り低いところまで降りてくる。我らの気球は可能なかぎり高いところまで上昇する。 その2つが落ち合えば、人間が天空城に上陸することが叶う。難解な話ではないだろう」 気球には、れいとマゴットと・・・サーヤはやはり着いてこない。女王も乗せてはもらえない。 兵士を2人付けることになったが、その一人はユーリが抜擢された。れいが安心するだろう、という配慮だ。この国の人々は実利と人情をバランスよく配慮する。 ユーリ マゴットや助手や兵士たちは、もう気球を飛ばすことに慣れを感じているようだった。野次馬たちも、気球を拝みたいというよりはれいを見送りたいのだった。皆、れいが好きである。 れ「ユーリが城を離れて大丈夫なの?」とれいも城を気遣った。 するとユーリは、 ユ「私の代わりはサーヤに担ってもらいましょう」とサーヤ


エピソード169 『天空の城』
エピソード169 やがてれいは、湖の手前の小さな丘に、荒廃した城跡を見つける。もう城壁の石積みがところどころ残っているだけの、完全な遺跡である。 普通はそんなものは素通りしていくのだろうが、れいはこうした遺跡めいたものが好きだ。敢えて丘の中の城跡を、ゆっくりと突っ切って歩いた。向こうに小さな塔が見える。塔と呼ぶには小さい。見晴らし小屋のようなものだったのだろうか。 遺跡を無意味にうろうろしていると、どうも人の気配を感じる。食べ物の匂いや、それを捨てた形跡・・・。少々の警戒心を持ちながら徘徊していると、城跡の中ほどに小さな横穴を見つけた。そしてそこに、人がいたのだ。 れ「あ!」とれいは驚きの声を上げる。 女「誰だお前は!」ボロ布をまとった住民とおぼしき女は、急な来客に荒い言葉で返す。 メボンの母娘 キャラデザby絵夢さん れ「すみません。旅人なのです。 東に行くと町があると聞いて、歩いていました。でもその町はもう滅びたかもという話も聞いていました。この城跡が、そうなのでしょうか?」 仲良くしてくれなくてもいい。情報だけでも貰えれば御の字だ。...


第9節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第9節 そして後ろにいたのは・・・ しゃがみこんでうつろに揺れる、ノアなのだった。 ぐらぐら ぐらぐら 「豆を・・・豆を植えなさい」 モ「ノア!」モーセは驚き、聴衆をかき分けてノアの元に駆け寄る。 ノアはうつろに揺れている。 モ「ノア!そなた、マリハナの煙を吸ったのか!?」 ぐらぐら ぐらぐら ノ「いいえ、吸っていません。煙は嫌いですもの」 モ「それでは酒を飲んだのか? 紫色のジュースを飲んだのか!?」 ノ「いいえ、お酒なんて臭いもの」 ぐらぐら ぐらぐら モ「神が!神が降りたのか!? マリハナも使わぬ生身の少女に、神が降りたのか!?」 モーセがノアの肩を揺すると、むしろノアは脱力してしまった。うつろな目をすっかり閉じきって、眠ってしまった。 ユ「真実のシャーマンが、ついにこの村にも現れたってのか・・・?」 二人の様子を見守っていたユキが、驚きの表情を浮かべてそうつぶやいた。 民「真実のシャーマンが!?」 民「マリハナに頼らずに神と繋がれる少女が現れたぞー!」 ざわざわ ざわざわ ユ「そういえば、昔は降霊の儀も踊り子が務めていたって、村長さん


エピソード167 『天空の城』
エピソード167 プカシェル村に戻って一晩ゆっくり休息を挟んだ後、れいはアズランの街へと向かった。 「アドルという貴族はいますか?」と人探しをすると、貴族というのかはわからないがそういう名前の金持ちがいる、と大きな屋敷を案内された。 屋敷に赴くと、「ご主人様はいますか?」と尋ねる。それで出てきたのは眼鏡の老人だった。 アドル キャラデザby絵夢さん ア「なんだね?どこの誰だね?私は研究に忙しいのだ!」 れ「あ、すみません。 でも、盗まれた財宝をお返しにあがりました」 ア「何?君はうちの屋敷から何か盗っていったのか!」 れ「いえ、私ではありません。 海賊に財宝を盗まれたのではありませんか?」 ア「何を言っているのだ? 君はそんなわけのわからないことを言って、うちの屋敷に侵入するのか?」 れ「いえ、違うんです。 財宝をお返しにあがったんです」 メイドの中年女性が慌てて口を挟んだ! メ「ご主人様!悪い人には見えませんよ! もう少し落ち着いてお話を伺ったらよろしいんじゃないですか!」 メイドのおかげで主人は興奮を鎮めた。 れいは客間に通され、ア


第13節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第13節 ザザーン ザザーン 沖に出ると、ユキはオールで漕ぐのをやめた。 そして、今来た西の浜を遠く見やった。もう島も見えないが。 ノ「そういえば、『魚が凶暴になる』ってほむら祭りのときに神様が言ってたわ」 ユ「いや、あれは魔物だったんだろう。ただの魚じゃないよ。 魚だったら、敵意丸出しでイカダを襲ったりはしないだろう」 ノ「あれが・・・」 まさか自分が、魔物なるものと相対する日が来るとは。 ユ「それにしても。村長さん、魔法が使えたんだな。そんなこと一言も言わなかったよ、これまで」 誇らしい技術を持っていても、それを隠そうとする人もいる。なぜそんなことをするのだろうか?今のノアになら、なんとなくわかるような気がするのだった。 ノ「村長さん・・・」 ユ「大丈夫。生きてるさ」 挿絵 by ヴィオレッタさん 波はゆっくりと、2人のイカダを運んだ。 そしてやがて、イカダはどこかの浜辺へと流れついた。まだ日は明るい。午後3時といったところか。 2人は上陸を試みる。そんな大層なものではない。短剣とヤリを持って、イカダから降り、知らない砂浜を踏むだけだ。..


エピソード87 『天空の城』
エピソード87 翌日の昼どき。 城の様子がよくわからないので、れいは早めに稽古場に赴いた。まぁ城の者に尋ねれば快く教えてもらえた。 稽古場に着いた志願者は、れいが1番初めだったようだ。 1人、また1人と冒険者が現れる。れいが一番そわそわしているように見える。皆強そうだ。 現れる冒険者の数は7人よりもずっと多い。どうも、3人4人組の冒険者のうち1人が参戦する、という形が多いようだった。れいだけ一人、孤独である。 そして戦士の男も姿を現す。屈強な体は200センチに迫りそうで、見たこともない立派な鎧を身にまとい、手には大きな剣を持つ。いかにも強そうだ。 れ「まぐれは、無いかも・・・」れいは益々気弱になってしまった。 正午。 王様や近衛兵、張本人である王子、その他取り巻きが集まっている。 手合わせも大臣が取り仕切るようだった。 大「皆の者。集まっていただき感謝する」 すると参加者の一人の魔法使いが、一歩前に出る。 魔「試合のルールを教えてくださいな。まともな説明を受けておりませんが」 大「わかっておる。 といっても特殊なルールは別にない。...


第3節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第3節 ヤシの木さえも、南風という音楽に乗ってユラユラと皆でダンスし続けるこの島だ。 踊りを奪われ、友を奪われ、ノアは心が曇った。 村を歩いていると、音が聞えてくる。 ノ「そっか。男の人たちももう練習してるのよね」 村の別の場所では、10人ほどの男たちが楽器の練習をしていた。奉納舞いの伴奏は、村の男たちの役割なのだ。教えているのは村長のモーセである。 ピラリラティーヤトゥルリトゥルラリラ~・・・ジャジャン! 青年の1人が、トゥーラというギターのような楽器を、華麗に弾きこなしている。 ユキ キャラデザ by 天(ソラ)さん モ「ほうほうほう! やはりそなたのアドリブソロは達者だなぁ。 ユキよ。今年の奉納舞いもそなたがトゥーラのソロ奏者を務めなさい」 ユキという青年は楽器から顔を上げ、村長のほうを向いた。 ユ「村長。とても光栄です。 でもね、僕は辞退しますよ」 モ「なぬ!?なぜじゃ!男にとってこれほど名誉なことはないというのに!」 ユ「そうですけど、僕はもう5回も務めさせてもらいました。 そろそろ他の人に譲るべきでしょう?」...


第1節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
エピローグ 「神は踊りを見ている。見ているとも。 しかし、踊りを見ているのではない。踊りながら、彼女は何を思っているのか?どんなことに留意して踊っているのか?いつもどんな努力を、どれくらいしているのか?その内側を見ている。 その内側を見ている」 第1章 踊ることの意味 第1節 ノア キャラデザ by 天(ソラ)さん くるりん くるりん ノ「うふふふふ!」 ノアは細長い手足を目いっぱいに伸ばして、今日も鮮やかな踊りを披露した。 「はいよろしい。Aグループの子たちはご苦労様。 じゃぁ次、Bグループの子出てきて!」 指導役のマハロは淡々とオーディションを仕切っていく。 挿絵 by ヴィオレッタさん Bグループの少女たちもそれぞれに若い汗を飛ばしながら、華々しく踊りを披露した。 マ「はい。ダンス審査も一通り終わったわ。 結果発表よ。みんな静かにしてね」 ごくり!踊り子たちはそれぞれに緊張の面持ちで息をのむ。 マ「今年のほむら祭りの演目も・・・ 主役はノア!去年と同じでノアでいきましょう」 ノ「わ、わたしが!?」 マ「13歳で2回も主役を務め


キャラデザインに向いているのはどんな人?
自著ラノベ『世界樹』のキキちゃん by 天(ソラ)さん 絵を上手に描く職業は、様々なものがあります。 その中でも、キャラクターデザインは「上手に描く」とはまた違った長所も重要になってきます! キャラの容姿が浮かんでしまう人がいる!...


エピソード23 『天空の城』
エピソード23 今度は武器屋を覗いてみる。 武器屋もまた、サントハイムの武器屋より品揃えが良いようだった。 おや?見覚えのある武器だ。なんと、《聖なるナイフ》が並んでいる。れいは思わず手にとった。 武「それはお嬢さんにぴったりだ。僧侶や魔法使いが使うんだよ。軽いけど切れ味の鋭い短剣さ」 《サフランローブ》を装備しているから僧侶だろう、と武器屋は考えたのだった。 武「200ゴールドだ。《銅の剣》からの買い替えにもぴったりだよ」 れ「え?これは《銅の剣》よりも高いのですか?」 武「あぁそうだよ」 れ「こんなに小さいのに?」 武「大きければいいってもんでもない。 《銅の剣》のほうがまぁ、戦士っぽい武器ではあるが、鋳型で固めただけの廉価品だからね。 切れ味は《聖なるナイフ》のほうが上だよ。だから値段も高いのさ」 れ「そうなのですか。私《聖なるナイフ》も持ってるのです。祖母の形見でして。 もっと大きな剣が欲しいなと感じて、サントハイムで《銅の剣》を買いました。まだこれくらい大きな剣のほうがいいなって思っていますが・・・」 武「なるほどなるほど。...


エピソード97 『天空の城』
エピソード97 れ「ふぁーあ、眠いわ」 そうだ。れいは寝ずにこの仕事を担ったのだった。 役目を終えて安心すると、宿屋に帰って眠った。 15時過ぎまで眠っていた。 受付に降りていくと、宿屋の店主はれいに感謝を告げ、労った。 そして「今日のぶんの宿泊費をサービスしてやる」と言った。 なんでも熱を出したカジカ爺さんとやらは、この宿主の親戚なのだった。街が飽和する以前から営まれている古い宿の店主というのは、街の要人を担っていることも多かったりする。鐘楼の番人を、普通は「要人」とは言わない。しかし、それはある意味で要人であるはずだ。 青いローブのれいちゃん れいは、再び教会へと赴いた。立派な教会の、内部装飾が見たかったのだ。 感謝や何かが欲しかったわけでないので、勝手口ではなく表から普通に教会の大きな扉を開いた。 そしてまた驚かされるのだった。 マーディラスのカテドラルではその日、20人もの町人たちが歌を歌っているのだった。 れ「歌!?」れいは面食らった。 それはいわゆるゴスペルというものだった。あちこちの教会で行われているもので、聖書の教えをシンプルな歌


【15歳の君へ!】イラストや芸術でプロになる秘訣とは?
PixivやSNSなど眺めていると、絵の上手な人がものすごく多くて驚かされます! しかしその99%はアマチュアやセミプロなのですね。 イラストや作曲、クリエイターとしてプロになるには、どうしたらよいのでしょうか? まず、「上手い」ことは大前提で・・・...


エピソード39『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
エピソード39 トルッカの町に寄り、そしてついに崑崙(こんろん)の森へと戻ってきた。 森は相変わらず巨大な真っ黒な怪我を負い続けており、今でもところどころで煙がくすぶってもいた。 一行は、特にゆなは、改めて胸を痛める。 キ「さぁさ、悲しんでたって時間がもったいないわ。...


エピソード87『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』
エピソード87 住所の場所に行ってみると、町のはずれの小さな、ハーブティの喫茶店であった。 ゆ「こんにちは。酒場の貼り紙を見ました」 お店を覗くと、隅の客用テーブルに一人の老婆が腰かけている。 婆「おやまぁ、隣町まで行ってくださるの?」 ゆ「えぇ、私たち、旅の者ですから」...


【加筆】次作のキャラデザインさん募集(*'▽')
次回作の主人公のイメージ♪ 最新作ラノベ『世界のはじまり』を公開した直後ですが・・・ もう次作のキャラデザインを行ってくれる方を募集します(*'▽') 26年夏の公開予定!1年前から準備する♪ 次作ですが、実はもうすでにかなり書きあがっています(≧∇≦) しかし公開は1年後、26年夏ごろを予定しています。 なぜそんなに先なの?? キャラデザインをこれまで依頼してきて、「思いのほか時間を要するようだな」という傾向が見えたからですね。 キャラデザインを担当していただく方には、もう原作を読んでもらって、半年前にはデザインに着手する、というくらいのスケジューリングを考えました(*'▽') 次作はかなり長文な作品で、登場キャラも多いです。 やや萌え寄り、クール寄り 作品ごとにキャラの雰囲気を変えてきましたが、次作は「現代アニメど真ん中」というイメージで考えています(*'▽') 生成AIが描いた男の子↓をたまたま気に入ってしまって構想を始めたので、こんな雰囲気の青年、それに準じた他キャラのイメージです。 ドラクエによくある子供っぽい雰囲気というよりは、FFに


第39節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第39節 旅立ちの準備をしなくてはいけない。 いつの間にか、お金は貯まっていた。稲作の仕事を最後まで全うするかたわら、目抜き通りに出てナイフやカバンを買った。ノアは、少々の装飾品を買うことも許された。 下宿で世話をしてくれている百姓にはどう話そうか?身近な人であればあるほど、「もうすぐ旅立つ」と告げつつ真相を隠すのは難しい。モモなら上手くやるのかもしれないが、ユキやノアはそれが上手ではない。2人は少し胃を痛めながら、普段よりも少々話し方がゆっくりになりながら、懸命にとりとめなのないことを話してどうにかやり過ごした。西の村に行ってみる、ということになっている。 1週間の後、2人は下宿を出た。 最初に泊まった宿に顔を出して、ルドマンを見つけるか、そうでなくとも宿主に一言挨拶でもしたいものだが、それをぐっと堪えた。話せば話すほどボロが出るから、誰にも何にも言わないほうがいい。 北の浜に出る。そして東へと岩礁を伝っていく。 本当に舟が待ち構えているのかな?少々不安にもなるが、疑いながら歩くのはまったく得策ではない。信じて、何も考えずに進むほうがいい時もあ
第38節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第38節 ツビットは再び、自分の舟に2人を引き上げた。 ツ「どうなってんだ。これは夢なのか?」 ユ「すみません。あなたに会いたくて、とんでもない無茶を冒しました」 ノ「はぁ、はぁ、はぁ。 本当に、本当にどうもありがとうございます!」...
第37節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第37節 2人は舟を押して海に出した。乗り込み、そして苔むしたオールで漕ぎだす。 舟はあちこちに穴が空き、水が入ってくる。 ユ「でもどうにか進めるぞ!」 前には進めそうだ! しかし少し沖に出ると、とつげきうおが飛来しはじめる!...
第36節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第36節 翌日。 ユキはノアを伴って、北の浜へと出た。 ノ「どうして北の海なの?」 ユ「舟で移動する望みがまだあるとすれば・・・」 ノ「あるの?」 ユ「あるとすれば・・・最初に僕らを助けてくれた、あの男の人だって思ったんだ」 ノ「あの人!」...
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