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第35節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第35節 翌日、また夕暮れ近くに東の海へとやってきた。 マーカスを探す。とつげきうおが殲滅できたのか、確かめなければいけない。マーカスは状況を理解し、再び沖に舟を出してくれた。 しかし・・・ 残念ながら、とつげきうおは今日も昨日と同じくらい盛んに、舟を狙って飛び交うのだった...
第34節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第34節 2人は肩を落としながら、来た道を歩いて戻った。 路地が開けたとき、東側からびゅーっと風が吹いた。かすかに潮の匂いがする。 ノ「あっちに海があるかも?」 ユ「そうか。海に寄ってみよう」 しばらく歩くと海に突き当たる。...
第33節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第33節 場面はノアとユキに戻る。 2人は田んぼに戻った。 「村長さんに会いたい」と話すと、責任者は訴状を書いてくれた。 次の休みの日、2人は村の奥の村長の館へと繰り出す。 稲作を手伝っている田んぼを越え、その奥の集落も突っ切っていく。また田んぼがあり、そして集落がある。...


第32節 ~モモの正義~ 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第32節 ~モモの正義~ モモ 場面は変わって、それは3年ほど前のこと。 モモは一人、世界の僻地をさすらっていた。 モ「聞いてくれよ長老さん!アンタらの村を助けたいから言ってんだ! つまりこういうことなんだよ! 龍ってのは善なヤツも悪いヤツも両方いるんだ!」...


第31節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第31節 モモ モ「ところで、あんたたちの旅はどこに向かってるんだい?」 2人は顔を見合わせた。 モ「あぁおかみさん、番茶を3つおくれ! 2つは大盛りにしてやってくれ?贈り物なんだからね。 へへへ。あたしのおごりだ。話すとノドが渇くね」 ノ「どうもありがとう」...


第30節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第3章 お金 第30節 同じ村にいればモモにすぐ会えると思ったが、意外とそうはいかなかった。彼女はどこに行ったのだろう?あの日、井戸場で夜中に「うるさい」とクレームを受け、彼女は翌日、村の遠いところまで場所を変えたのだった。同じところでばかり演じていても、その住民は踊りに飽...
第29節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第29節 昼ご飯と作戦会議を済ませると、2人は思い切って、労働というものに挑んでみることにした。 宿屋に戻り、店主に掛け合ってみる。いつもぷんぷんしているが、何だかんだ言って面倒見はいいらしく、コメ農家に紹介状を書いてくれた。「旅人であるらしいが働かせてやってくれないか?そ...
第28節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第28節 翌日。2人はまたモモに会いたいと思い、井戸まで歩いていった。 そこにモモの姿はなく、2人は落胆した。ノアは妙にモモのことが気になった。色々な要因があったが、その1つとして、モモの姿はコーミズを旅立った朝に夢に出てきた天女に、どことなく似ていた。「手をつなぐことを恐...


第27節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第27節 挿絵 by ヴィオレッタさん モモとの会話は続いた。ノアは尋ねる。 ノ「毎日、村の人はお金をくれるのですか?」 モ「はは。踊ってたってぜんぜんおひねりが貰えないときもあるよ。踊りで稼ぐならそういう覚悟が必要だ。収入の安定する稼業じゃない。 でもあたしは大丈夫なんだ。昼間はね、これを持って道に立つ」 すると彼女は、足元の細い棒を拾って掲げて見せた。 なんだこれは?2人は目を細めた。暗いからなおさらわからない。 モ「横笛さ。楽器は知ってるのかい?」 ユ「笛か!僕らの村にもあります」 モ「あたしは横笛もたしなむんだ。昼間はね、これを吹いてる。踊り子ほどまゆをひそめられることはないさ。夜になって暗くなったら、踊りを踊る。 この村は結構音楽を楽しんでくれるよ。なんでもありさの姫ってのは、音楽の神様だったっていうじゃないか!」 ノ「えぇ?ありさの姫は農業の神様だと聞きました。ついさっき」 モ「ありさは音楽の神だよ。横笛を上手に吹く神様だったんだ。そういう絵を見たことあるんだから、間違いないよ」 どっちが正しいのだろうか?よくわからない。...
第25節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第25節 夕刻前に2人は村に戻る。村の中には珍しいものがたくさんありそうで、それを見て周りたい気持ちもあったが、昨日の男にお金を返すのが先決だ。あまりよそ見もせずに宿に戻り、宿の居間で夕食をしながらルドマンが顔を見せるのを待った。...


第22節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第22節 ユ「はっ!」ユキは左手で懸命に目のしぶきをぬぐい、目の前の現実を見る。 そこに差し出されたのは、巨大なクモの脚・・・ではなく・・・ ユ「お、オール!?」 ?「ほら、掴まれ。舟に上がれ」 野太い声が言った。 ユ「!!人か!! ありがたい!でも僕じゃなくてそっちの子を!」 ?「そうだな」声はユキの少し先にいるノアに、オールの舳先を差し出した。 ?「見えるか?」 ユ「ノア!オールだ!それに掴まるんだ!」 ノ「オール!?」ノアは目の前にかすかに見える、黒い長いものに懸命に掴まった。 2人は無事、小舟に引き上げられる。 ユ「あ、ありがとう、ございます・・・!」 ノ「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」 ノアがクモだと思ったものは、舟だった。コーミズでもアギロの島でも見たことのない、妙な形の小舟だ。舟の両側には、クモの脚のように細長い骨組みが伸びている。 ※こういう舟(バンカーボート。フィリピンなどで実際に見受けられます) 舟の中には漁に使う網があり、魚臭い匂いがする。これはクモでも魔物でもない。人が乗る漁舟だと、ユキもノアも察知した。 ?「村のもんじゃない
第21節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第21節 アギロの村を出て4日目、もう食料は尽きた。 今日こそは何かを見つけたいと思ったが、2人を出迎えたのは大きな島ではなく、大きな灰色の雲だった。天気が荒れはじめる。 波は高くなり、イカダは激しく揺れるのだった。オールで漕ぐのもはかどらない。...
第20節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第20節 日の傾きとともとに、とつげきうおの飛来は増えていった。 ユキはまたヤリを構えて腰を入れたが、いつも見事に倒せるわけではないのだった。とつげきうおは鋭い背ビレでユキの体に切り傷を与えていく。 ユキはモリで魚を獲るときのように、深く集中した。...


第19節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第19節 イカダによる旅は決して楽なものではなかった。 オールを漕がないと浜に戻ってきてしまうからな!と言われたが、ずっとオールを漕いでいるのは腕が痛くて無理がある。休んでは漕ぎ、休んでは漕ぎ、そしてそのインターバルは徐々に長くなっていった。...
第15節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第2章 神の怒り 第15節 「大変だーーーー!!!」 翌朝は、誰かの叫び声で起こされることとなった。 2人は飛び起きる。知らない町で朝を迎えた感慨に浸る間もないのは、少々もったいないが仕方ない。 一行は声のする方へ駆けつける。村にある大きな蔵だ。様々なものの貯蔵庫である。...
第12節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第12節 すると、炎の出どころには・・・ ボロボロのイカダを駆り出してこちらに構える、モーセ村長の姿があった!!! 険しい顔つきでこちらを見ている! ユ「ごめんなさい!村長さん!!」 ノ「ごめんなさい!!」 ユ「すぐ岸に戻りますんで!!」 しかし! モ「いいや、よい!...


第11節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第11節 ノアとユキを乗せたイカダは、西の浅瀬に繰り出した。 ユ「しばらく手伝ってくれ」 ユキはノアにオールを渡す。 ノ「これは?」 ユ「イカダを漕ぐんだ。沖に出るまで少しの間」 ノアは勝手がよくわからなかったが、とにかくそれを受け取り、ユキの見様見真似をした。...


第10節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第10節 今日も井戸へと水汲みに出る。すると、友人たちの様子はまた変化しているのだった。 ノアを見つけると距離を置き、遠巻きに見つめている。そして友人たちと何やらひそひそと話している。 女「踊りで注目を浴びれないからって、マリハナに頼って神様に繋がろうとしたらしいわよ」...
第8節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第8節 月日は流れ、海はますます青く鮮やかになった。夏が来たのだ。 例年どおり、コーミズ村では無事ほむら祭りが執り行われた。これは農業や漁業の豊作を祈願する、年に一度の重要な催しである。村の女たちはこの日のために懸命に踊りの稽古をしている。...
第6節 『世界のはじまり ~花のワルツ~』
第6節 西の浜の近くに村長の家はあるのだった。 ユ「村長さーん!」ユキが叫ぶが、返事はない。 ユ「今日も裏かな」 ノ「裏?」 ユキはノアを引き連れて、村長の家の裏手に回る。 ノ「こんなところ、来たことないわ」 裏手には畑があり、まばらに手入れされてあった。...
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