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エピソード1 『「おとぎの国」の歩き方』
プロローグ 「おとぎの国行き」の列車なんていうのは、存在しないんだよ。 日本にナイのは当然として、スリランカにもチョモランマにも、ありはしないんだ。 「おとぎの国」っていうやつは、 日本とアメリカの次くらいに有名な名前のクセして、誰もたどりつけやしない。...
エピソード25 『「おとぎの国」の歩き方』
エピソード25 4日目。今日あたり、着かないかな? アジナ村を出てから、舗装道と野道を交互に歩いてきたけど、 もっぱら野道ばっかりになってきた。人里からはかなり離れたはずさ。 緑の色はとても深くて、サビ付いたような色をしてる。...
エピソード2 『「おとぎの国」の歩き方』
とりあえず、タイムスリーって宿を探し当てる。 ガイドブックには「老舗だから安心」とか書いてある。まぁ、悪くはないよ、実際ね。 …悪くないのは、スタッフの態度のことだよ?部屋はヒドい(笑) ざっくり言えば、廃墟みたいだよ(笑) 家具は、...
エピソード16 『イエスの子らよ』
緊迫した空気を打ち破ったのは、エルサだったわ。 「ちょっと?シスター・サラ? どうでもいいけどあなた、 読書なんかしてないで、ホコリはたき手伝いなさいよ! 今はお仕事する時間なんですからね!読書は夕食後よ!」 「ぷっ! あはははははは!!」...
エピソード17 『イエスの子らよ』
エピソード17 ある日の午後、 3人で、鐘楼のからくり部屋に行ったわ。 何かおしゃべりしたいことがあるとき、エルサはここに行きたがるのよ。 一番人目につきにくいからね。 案の定だったわ。 たむろしてるハトをからかいながら、エルサは話し始めた。 「ねぇサラ?...
エピソード5 『イエスの子らよ』
渡された服は、紺色ばっかりの服だったわ。エルサとおそろい。 修道院っていうのは、みんな同じ服を着るのよ。 私にはちょっとブカブカだったけど、まぁいいわ。小さいよりマシ。 修道院では細かいことでモンク言っちゃダメって、お母様が言ってた。...
エピソード22 『イエスの子らよ』
粉袋を運びにいくと、おばあ様とエルサがいたわ。 「どうしよう…。これ?」 私は、エルサとおばあ様に、もらったハンカチを見せた。 「あはははは! おばあ様の言ったとおりになったわね!」エルサがいたずらっぽく笑う。 「どういうこと?」...
エピソード4 『イエスの子らよ』
教会から、階段を2つ下りて廊下を2つ曲がったところに、 同じような部屋がいくつも並んでいたわ。これが寄宿舎ね。 おばさまは、私を一番奥の部屋に通してくれた。 トントン。 「エルサ?いるかしら?」 「はい。ただいま。」 戸を開けてくれたのは、小さな女の子だったわ。...
エピソード11 『イエスの子らよ』
午後は、工芸室に行ってみようってことになったの。 さっきエルサが座面を張り替えたイスだけど、 あれ、修道女が手作りしてるんですって! ゴシック調の彫刻がほどこされた、立派なイスなのよ?それも手作りされてる。 で、工芸室に向かって歩いてたんだけど、...
エピソード6 『イエスの子らよ』
でも私、眠くならなかったわ。 お昼寝いっぱいしちゃったんだもの。馬車の中で。 つまんないから本は閉じて、 それでも眠ろうと、努力はしたのよ。 100まで数えたら眠れるときもあるから、それもやってみたの。 でも眠れなかったわ。 200まで数えてみたけど、それでもダメだった。...
エピソード13 『イエスの子らよ』
修道院の暮らしっていうものが、大体つかめてきたわ。 マナーにはとてもうるさいけれど、あんがい自由なの。 やることはいっぱいあるけど、何するかはだいたい、自分で決められる。 成人棟の人たちは、もうちょっと制約があるんでしょうけど、 幼年棟の私たちは、かなり自由なの。...
エピソード10 『イエスの子らよ』
ランチは12時にはじまる。 毎日毎日、規則正しく12時にはじまるわ。 それはいいとして、 メニューまで、毎日毎日同じなわけ!? 私は、テーブルに並んだお皿を見て、げんなり。 「またオムレツなの?牛フィレのステーキは出てこないの?」 「あらあなた、知らないの?...
エピソード1 『イエスの子らよ』
プロローグ 修道院って知ってる? 私も知らなかったわ。実際に行ってみるまでは。 教会みたいなところよ。 教会は、日曜日にだけ行くでしょう? でも、修道院は毎日行くところなの。 毎日行くっていうか、毎日、そこで暮らすのよ。 エピソード1 「パッカラパッカラパッカラパッカラ…」...
エピソード7 『イエスの子らよ』
部屋にもどって、シスターが帰っていくと、 「ウフフフ。」声がしたわ。 「エルサ、起きてたの?」 「起きちゃったわ。あなたが出ていく物音でね。」 「私がバカだから、笑ってたの?」 「ウフフフ。だいたいみんな、同じことやるわ。」 「そうよね!?」私、安心しちゃった。...
エピソード24 『イエスの子らよ』
それから5年が経って、 私は成人棟に移ることになったわ。エルサともお別れ。 エルサも翌年、成人棟にやってくると思ってたら、 あの子、そこで退院してしまったの。 エルサ、高学院に進んで勉強に励むんですって。 親友を失うのは寂しかったけど、でも大丈夫。...
『エピソード12 イエスの子らよ』
舞いくるう粉ボコリがおさまって、声の主が見えてきたわ。 なんと、ヨボヨボのお婆さん! 「ごめんなさい! 粉袋、おばあ様の頭の上に落ちてしまったのね!?」私は謝った。 「ほっほっほ!髪はもとから真っ白じゃわ。もう80じゃからの。」...
エピソード2 『イエスの子らよ』
「マリアンヌ!起きなさい! 起きなさい!マリアンヌ!起きなさいったら!」 お母様のどなり声で、私は目を覚ましたわ。 「もう!眠ってはダメとあれほど言ったのに! 約束違反をするのは、これが最後ですからね! これからはもう、てっていてきに素直な良い子で過ごすんですよ!...
エピソード9 『イエスの子らよ』
10時を過ぎたころかしら。 エルサが、大きく伸びをして言ったわ。 「ふわーあ。アタシ、お裁縫あきちゃった。 ねぇ、気分転換しに行かない?」 「そういうのって、アリなの? 背の高いシスターに怒られるわよ?」 「大丈夫なのよ。とにかく何か、お仕事してればいいの。...
エピソード14 『イエスの子らよ』
私はときどき、 シスター・サラの姿を探したわ。 どうしても気になっちゃうの。チョコレート色の髪の彼女のこと。 でも、どこにもいないの。 ご飯を食べたと思ったら、すぐどこかに消えちゃうのよ。 彼女も人と群れるのがキライなのかしら。 それと、もう1つ人探しをするわ。...
エピソード21 『イエスの子らよ』
エピソード21 修道士さんを助けた翌日のことよ。 その日は、廊下の窓拭きをしながら、3人でしゃべっていたわ。 「ほっほほ! おぬし、ケガした修道士を担ぎあげたんじゃってな!」 「怒られちゃったの。悲しいわ。人助けをしたのに。」 「複雑よのう。ルールじゃからの。」...
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